本当は不味いソビエト料理 ソ連カルチャーカルチャー2まとめ

2015年2月1日、お台場にある東京カルチャーカルチャーで行われたおそロシ庵出演のイベント、「ソ連カルチャーカルチャー」。

今回はロシア人、Murasakitonbo(カーチャ)の発表資料を紹介したいと思います。

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Murasakitonbo(カーチャ)が作った資料を本人が解説します。

来ていただいた方は復習に、これなかった方はこんな様子だったのかとお楽しみ下さい。

 

ソ連のまずい料理

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ロシアに行ったことのある方に、「食べ物はどうでした?」と聞くと、「おいしい」と言ってくださる方が多い。

そう言ってもらえると、とても嬉しいですが、実際はロシアはまずいものもいっぱいある。

まして、ソ連時代。

 

最近、ソ連にあこがれて、

「ソ連時代の食べ物がよかった!みんな新鮮で自然なものばかりで、今のプラスチックっぽい食べ物と大違い!」

という人が増えているが、果たしてそうだろうか。

ソ連時代は食事の場として食堂が大きな役割を果たしていたが、ソ連の食堂ってどんな感じかな?

 

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客一人一人にちゃんと明るく文化的なサービスを提供するということになっていた。

たくましくて元気そうな女性が重そうなお盆を運んでいる。

笑顔に満ちた顔が輝いている。なんて素敵な風景だ。

 

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そろそろ現実の世界に戻りましょうか。

肉などの煮込みの重い匂いが広がっている薄暗い部屋に病気っぽい落ち込んでいるような人が並んでいる。

肖像画のレーニンの顔だけが満足している様子。(どこでもそうだとは限らないが)

 

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学校の食堂は、やっぱり空気が同じで、元気そうでたくさん食べていそうなのは作っているおばちゃんだけ。

コックの人たちは食材不足の時代でも、食品に困らなかったかららしい。

 

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「コンプレックス・ランチ」というもの。

「ペルヴォエ」(第一の)のスープ、「フトローエ」(第二の)のメイン、パン、パン、ジュース。

スープを全部食べてからメインを食べるので、そういう呼び方。

ちなみに、幼稚園のひどい思い出としてよく出てくるのは、スープがまずすぎて子供たちが食べられないから、先生がお仕置きとしてメインを直接スープに入れるということ。

そうされて気持ち悪すぎて吐いた人も・・・

 

私は、小学校でこういうマカロニをさんざん食べさせられ、もう見たくもない。

しょっぱすぎてくっついていて冷たいマカロニたち。

 

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しょっぱすぎて、くっついていて(もしくは逆にくっつかないように油がたくさん入っている)、冷たいマカロニたち。

私にはまったくおいしそうに見えないのですが、みなさんどうでしょうか。

 

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セモリナというのは、小麦を砕いたもので、小麦粉より少し大きいものである。

ロシア人に愛され、つなぎとして様々な料理に使われる。例えば、ザペカンカ。

 

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ザペカンカというのは、「オーブンで焼いたもの」という意味で、材料は様々。

ジャガイモの間に肉か野菜を挟んだジャガイモのザペカンカもあれば、カッテージチーズで作ったザペカンカもある。

写真のものは人参とセモリナ粉で作った甘いザペカンカで、ちょっと微妙かな。

私は食べたことないが、とても評判が悪い。

 

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何も言わなくても分かるよね、この顔を見て。

 

 

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塩化カルシウムというのは、料理じゃないけど、ソ連のまずいものを思い出していた人の話によく出てきた。

これも私は幸い飲まされたことない。

 

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えんどう豆のスープ。

黄色いだが、みなさんびっくりしませんか?

えんどう豆って緑のイメージありませんか?

 

このスープは普通においしいと思うが、やはり食堂のものであるせいか、評判が悪い。

ちなみに、私の小学生のころ、もうソ連ではなかったが、やはり似たようなもんだったと思う。

雰囲気と味はソ連と変わらないと思う。

 

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スープが黄色いのはこういうことだ。ロシアで「えんどう豆」と言ったら、大体乾燥したもののイメージ。食べすぎたらガスがたくさんたまるから気を付けて。

緑のもあるけど。

 

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ニシンのトマト缶詰。

食堂の食べ物の多くは、簡単に楽に作ろうという意志が見られる。

悪く言えば、手抜き。

そんななか、缶詰は大活躍。

おいしそうと思う人、手を挙げてください(笑)

 

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ニシントマト缶詰の画像を探していたらこんなのが出てきた。

とても信頼できる、とある新聞に載っていた。

謎の動物が出てきて、なんなのかいまだ分からないというショッキングなニュースだった。

 

 

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ドラニキというのは、ジャガイモをおろして、でんぷんか小麦粉ちょっと入れて焼くきわめて簡単で、どう作ればまずくなるのかちょっと分からない。

しかし、やはり、「食堂のドラニキがまずかった」という人が多い。

私の学校の食堂には出てこなかった。

 

 

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魚。そう、モスクワあたりの人は、海も近くにないし、きれいな川もないので、魚を食べる習慣があまりない。

ロシア人ってとにかく肉が多い。

魚は時々食べる程度なので、呼び方をあまり気にしない。

魚は魚で細かいことを知らなくてもいいや。

 

この写真じゃ、何がなんなのかあまり分からないかもしれないが、味もきっと写真の通り。

なんなのかよく分からない。牛乳が入っている。

 

ところで、幼稚園・学校用ごはんの作り方が載っている謎の会社のサイトを見つけたが、魚の料理のレシピもあって、レシピの最後に、味と見た目と匂いの標準が書いてある。

魚料理の味と見た目が気になってみてみると、「色は灰色から白。匂いは煮魚の匂い。味は、煮魚の味」らしい。

 

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レバー・・大嫌い。

ここ10年以上ベジタリアンで肉を食べていないが、子供のころでもレバーの匂いだけで気持ち悪くなってた。

このハンバーグについて何も書かないことにした。

写真自体が言葉より分かりやすく語ってくれる。

 

 

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今はカプセルで売っていて、飲み込む力さえあれば簡単に飲めるものだが、私の子供のころはそう簡単ではなかった。

そのまま飲まなければいけなくてつらい思いをした。

 

 

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ザペカンカのところでカッテージチーズが出てきたが、それもロシア人の大好物。

ロシア語でトヴォローグといって、そのまま食べたり、サワークリームやジャム、はちみつをかけて食べたり、料理に使ったりする。

 

 

 

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チーズから作ったザペカンカ(日本人の感覚だと、チーズケーキに近いかも)。

チーズケーキはまずくないじゃないかと思うかもしれないが、このザペカンカもやはりまずかった。

大体のものに練乳がかかっているが、小学生のころ、練乳だけなめて残していた。

お母さんが作るととてもおいしいザペカンカなのに、不思議にも食堂のものはまずい。

それはたぶん、セモリナを入りすぎているからかな。理由はなぞ。

 

 

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きゅうりの塩漬けはロシア人にとって欠かせない存在である。

そのまま食事のとき食べてもいいし、料理に使ってもいい、ウオッカのおつまみ、二日酔いの対策(*つけ汁を飲むと二日酔いが治るらしい)。

きゅうり自体は嫌われていないが、その料理のほうは・・

 

 

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ラッソーリニク(「しょっぱいもの」)というスープ。

きゅうりの塩漬けの入ったスープ。

そのぬるいしょっぱさが子供たちの間で不人気だった。

 

 

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手抜き料理その2。

昨日お昼に作ったパスタを生徒たちがあまり食べなくて余った。

それじゃあ今日こそ食べてもらおう。

昨日の朝ご飯の残りのトヴォローグを混ぜて素敵な料理出の来上がり。

というつもりだろうが、全然素敵でもなんでもない。

こんなものがあるから幼稚園に行きたくないんだよ。

 

 

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そば茶を作ったり、焼き蕎麦を作ったりする蕎麦。

原料を見たことありますか?こんな実です。

これは炒ったものなので茶色い。生だと緑だけど。

 

 

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ご飯のように炊くとこんな感じにできる。

普通に炊いて、塩を入れて食べるとおいしいが、食堂としてはおいしい物を出すのは許されないことなのでしょうか、牛乳と砂糖が入れてある。

そうすると、食べる人の数が激減する。

 

 

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これは、ソ連に限らず、今でもそういう人がいて、私の姉なんかもそうだった。

スープのなかで水分をたくさん含んでべちょべちょになった玉ねぎが食べられないという人が多い。

 

 

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カーシャというのはおかゆのこと。

厳密にいうと、先ほど出てきたそばもカーシャと呼ばれている。

ほかには、オートミールのカーシャ、トウモロコシのカーシャなどなど、様々なものがあって、ロシア人の大昔からの大事な食べ物。

今でも愛され、朝ごはんによく食べられている。

が、中には特に子供に人気のないものもあって、例えば、このセモリナのカーシャ。

牛乳をたくさん入れて砂糖を入れて暖かいうち出せばおそらくおいしく食べてもらえるだろうが、食堂はそんな楽な道はあえて選ばない。

水で作ってミルクを少しだけ加えて、冷ましておく。

そうすると、カーシャがべちゃっとなって、なめくじのようにぬるぬるとなる。

そういう状態で子どもに食わせようとすると泣かれる。目的達成?

 

 

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牛乳と水を1対1入れたものでパスタをゆでて砂糖で味を調えて最後にバターを入れてどうぞめしあがれ。

写真を見るだけで気持ち悪くなるよ~~。

 

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「ソ連時代のまずかった食べものは?」

と聞いたところ、一番よく出てきたのはこれ。

牛乳を沸騰させたときに表面に出てくるまく。

大嫌い。見るだけぞっとする。

女の子がネズミが嫌いのと同じように論理で説明できないような気持ち。

しかし私は湯葉が大好物。

おいしい材料でおいしいはずのものを作ってまずく完成させるというのは、ソ連の食堂の大きな謎である。

 

 

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