2015年2月1日、お台場にある東京カルチャーカルチャーで行われたおそロシ庵出演のイベント、「ソ連カルチャーカルチャー」。
前回の記事に引き続き、おそロシ庵の発表資料を紹介したいと思います。
来ていただいた方は復習に、これなかった方はこんな様子だったのかとお楽しみ下さい。
今回は第一回ソ連カルカルでリクエストの多かった建築についてです!
まず最初に、ソ連を代表する建築物というとスターリン様式があげられます。
スターリン政権時に建てられた建築様式の一つで、ニューヨークの摩天楼に対向するために作られたものです。
特に、「スターリンゴシック」と呼ばれる重厚な高層建築がモスクワに7棟、ワルシャワに1棟存在します。
モスクワの7棟は「セブンシスターズ」と呼ばれており、観光地としても人気があります。
このセブンシスターズを1つずつ紹介していきます。
文化人アパート。
その名の通り文化人が多く住んでいたアパート。
1945年に完成。
156mの24階建て。
部屋数は450室で現在でも多くの人がここで暮らしています。
芸術家アパート
その名の通り芸術家が多く住んでいたアパート。
1952年完成。
中央部の一番高いところが176m。26階建て。700室。
ここも今でも人が暮らしています。
ホテル・レニングラード
1953年完成。136m17階建て。
客室は全部で330室。
もちろん今でも泊まることができる。
ホテル・ウクライナ
ウクライナに行きのキエフ駅のそばに建つ。
完成したのは1955年。
34階建て、206m。先端の突起部だけで73m。
497の客室、38の長期滞在用アパートメントホテルがある。
ソビエト連邦運輸建設国家委員会
1953年完成。
138mの24階建て。
ロシア外務省
1953年完成。
172m、27階建て。
エレベーターの数は28台。
モスクワ大学本館
1953年完成。
240m 34階建て
この建物の大半は学生の寮になっている。
入居可能人数は6954人。
上から見るとこのようになっている。
シンメトリーな構造。これはスターリン建築の特徴でもある。
先ほどの画像は正面から見たものだが、シンメトリーなので裏から見ても同じ。
これは裏側の写真。
この建物には一般人が入ることができない。
在学中の学生と関係者のみ。警備はけっこう厳しい。
私は一時ここに住んでいたので中の写真を少し紹介します。
これはリフォームしたての廊下。
養生がそのまま放置してあるのが安心のロシアクオリティー。
台所。
リフォームしたて&夏休み中で学生が少ないということでとてもきれいな状態。
部屋の中はこのようになっています。
続いてはソビエト時代に建てられためずらしい建物を紹介。
グルジアの道路省。
ベラルーシのエキシビジョンセンター「BelExpo」
ペテルブルクにあるロボット工学&サイバネティックス技術研究所。
ロシアとグルジアの国境山岳地域、ドンバイにあるホテル・タレルカ。
タレルカはお皿の意味。
Flying Saucer、つまりUFO。
中はこのようになっているらしい。
ボルゴグラード(旧スターリングラード)のママエフの丘にそびえ立つ母なる祖国像。
スターリングラード攻防戦を記念して建てられたこの像は女性像だけでも52m。剣の長さは33m。
1967年の建造時は世界一の巨像であった。
ここまでは特殊な建築物を見てきましたが、次は一般市民が暮らしていたアパートを紹介します。
フルシチョフ時代に建てられたフルシチョフカと呼ばれるアパート。
全て同じデザイン、合理的な節約、狭いというのが特徴。
とにかく全ての人に住む家を与えるということから作られた。
このフルシチョフカを使った有名なソビエト映画、「運命の皮肉」という映画がある。
主人公は酔っぱらいレニングラードでタクシーに乗り、モスクワの自分の住所を運転手に伝える。
ロシアは違う街でも同じ名前の通りが多いので、レニングラードの同じ住所へ連れて行かれる。
主人公は全く同じフルシチョフカスタイルのアパートを見て自分の家あと思い込み、そのアパートの部屋へ入るとそこに本当の住人の女性がいた。そこからラブストーリーが始まる。
このフルシチョフカの他の特徴として、5階建て、異常に狭いキッチン、キッチンの直ぐ側にバスルーム、キッチンとバスルームの間に小窓が付いているというのがある。
5階建てなのはエレベーターを設置する必要がないから。
キッチンとバスルームの間にある小窓は手洗いへ行く時にバスルームの明かりを付けなくてもいいから。
キッチンから入る光でまかなえるというわけだ。
しかし、キッチンからバスルームが丸見えになってしまうので、住人には不評であった。
窓ガラスをペンキで塗りす潰したり、カーテンをかけるなどの処置が行われていた。
ちなみに各時代のアパートに名前が付けられており、
スターリンカ、フルシチョフカ、ブレジネフカの三種類がある。
一番いいのがスターリンカ。
一番狭くて室が悪いのがフルシチョフカ。
ブレジネフカはフルシチョフかを改良したもので、まあまあということだ。
そんなアパートの中にも変わった形のものがある。
モスクワにあるBublikと呼ばれるアパート。
Bublikというのは丸いパンのこと。
日本語に無理やりするとベーグルとなる。
その名の通り丸い。
これはモスクワオリンピックに伴い建設されたもの。
当初の計画では5つ建設される予定だったが、コストがかかる、人気がなく入居希望者が少ない。
などの理由により2練のみが建造されるに至った。
ブリャート共和国、ウラン・ウデにあるペンタゴンと呼ばれるアパート。
どの辺がペンタゴンなのかよくわからないがペンタゴンと呼ばれている。
ウラン・ウデの小高い丘の上に立てられているため、市内からとても良く目立つそうだ。
最後に建設計画があったが様々な理由で建設されなかったものを紹介したいと思う。
アエロフロートビル。
その名の通りアエロフロートのビルとして作られる予定だった。
レーニン像。
数あるレーニン像の中で最も巨大なもの。
100m、6000トン。
頭だけで14m、5階建ての建物相当。
ちなみに自由の女神は46m。
しかしこれも計画だけで建設されることはなかった。
これは帝政ロシア時代の写真。
救世主はリスト教会はモスクワにあるロシア正教の総本山。
ソ連時代、共産主義の特徴の一つとして宗教の禁止がありました。
そこで目をつけられたのが、ロシア正教のシンボルであるこの教会。
ソビエト政府は共産主義にとって邪魔なこの教会をどうしたかというと、
爆破します。
そして更地となった教会跡に新たなシンボルとなる、ソビエト宮殿の建設を計画します。
しかし、モスクワ川のそばにあるこの場所は地盤が非常に緩く、建設することができませんでした。
何度か建設計画は持ち上がったそうですが、ことごとく廃案となり、最終的に、
なぜかプールが完成しました。
そしてソビエト崩壊後、元の教会を復活させようという運動が起こり、現在は元と同じ教会が建てられています。
しかし、現在のモスクワっ子たちはこの協会をあまり気に入っていないそうです。
新しく作りなおしたからなのか、ただ大きいだけで作りが甘い、きれいじゃないというのが理由だそうです。