先日、イラストレーター
の織田博子さんよりをおそロシ庵のFacebookやTwitterで自書の『女一匹シベリア鉄道の旅』を宣伝してくれませんか?とメッセージを頂きました。
それならば、せっかくなのでおそロシ庵で記事を書いてみませんか?その方が面白くなりそうだし。と提案したところ、「ステマカテゴリですよね?ここに載りたかったんです!」と承諾していただきました。
まさかステマカテゴリに載りたかった人がいたとは・・・(笑)
ということで今回の記事は下記の通り、
- 『女一匹シベリア鉄道の旅』の紹介
- それを読んだロシア人の感想
- ちょっと気になったシーン、「ロシア人はなぜ怒ったような態度なのか」のロシア人による解説
- 織田さんの描きおろしおまけ漫画
こんな感じの盛りだくさんで行こうと思います。
こんにちは!イラストレーターの織田博子です。
女一匹でロシアを旅するエッセイマンガ『女一匹シベリア鉄道の旅』の第一話と、おまけのエピソードを紹介します。
ロシアについて「プーチン大統領がいる」「ソ連という国(?)だった」くらいの知識しかなかった私が
「シベリア鉄道に乗りたい!」という気持ちだけで、単身ロシアに入国!
街は軍人だらけだし、お店のおばちゃんは常に不機嫌だし、英語は通じないし…とビビりまくっていた。
ビビりながらも乗車したシベリア鉄道で朝から晩までロシア人と一緒に過ごしていると、ふつうのロシア人の姿が見えてきた。
天使みたいにかわいい子供たち、そんな子ども達にメロメロの軍人のお父さん、きゅうくつな制服を着替えてリラックスして過ごす車掌さん…。
夜になれば、一つの部屋に集まって、ギュウギュウに詰めて座って飲み会を始める。ウォッカを飲んで酔っ払ってオヤジギャグをかます。
ロシア人たちの大らかな心に触れ、ロシアを大好きになった私がロシアの魅力を伝えたくて描いたマンガです。
ロシアに行ったことがある人も、行ってみたい人も、絶対行きたくない人も。
是非、ミステリアスだけど素朴で感情豊かでかわいいロシア人たちの魅力に触れてみてください。
それでは
『女一匹シベリア鉄道の旅』
第一話をお楽しみ下さい!
織田さんから、「ロシア人にこの本を読んでもらった感想をぜひ聞いてみたい!」と提案されたので、それは面白そうだと思い、ロシア人スタッフのMurasakitonboさんに読んでもらい感想を聞いてみました。
店に入ってヴァレーニキを食べたってあるけど、これは肉が入っているから、あれはペリメニ。ヴァレーニキは肉以外のものが入っている料理。似てるけど違うね。
あと、こんなにエカテリーナ2世に盛り上がっている人を初めてみた。こんなにエカテリーナ2世でもりあがる人は見たことない(笑)
ロシアのおすし屋さんに入って、そこの店員さんが描かれてるけど、その店員さんはもちろん笑顔じゃない。その笑顔じゃないところがリアル。ポーズもとてもリアルだなと思って笑っちゃった。
そのすし屋で食べていたけど、おいしいって書いてあった。本当かな?と思った。
ロシアすしはおすすめですって。考えられない。私はあまりすすめられないな。
モスクワのパルチザンスカヤ駅にあるホテルに泊まったということは、お土産市場(ヴェルニサージュ)のそばだね、きっと。
窓から派手な教会が見えたって書いてあるけど、そのコマの絵はあの市場あたりの建物っぽい。
お土産市場の観光客向けのハリボテがまさにその絵の通り。
言葉が喋れないのによく行こうと思ったよね。しかも迷わずにホテルとかについた。すごい。
そしてけっこう無防備っぽいのに犯罪に巻き込まれなかったのも凄い。奇跡かも。
私はロシア人だけど一人でシベリア鉄道に乗るとか怖くてできないもん。
こうやって描かれているところに、いろいろ違うところがあって訂正をいろいろ言ったけど、最後まで読んでみると、感動して涙が出ちゃった。
なんか、人の付き合いとかって大事だなって読んでて思った。
最後の、「飛行機でシベリアの上を飛んでいて、自分の下に、鉄道で出会った人たちがどこかいる。そう考えるとなんだか暖かくなる。」ってところとかが心にしみました。
さて、おそロシ庵管理人の私が読んでて気になったというか、前から気になっていたロシア人の態度。
店員さんとか、受付とか、とにかく不機嫌に、怒ってるような感じで対応するのはなぜなんだろう?
それは本当に怒っているのだろうか?
ということをロシア人に聞いてみた。
ロシア人の皆さんに質問。
この漫画のこのシーン、ロシアの店員とかこういうサービス業の人ってよくこんな感じで怒ってるように見えるけど、これは実際怒ってるの?
ロシア人に対してもこんな態度?
Oさん
誰にも対して怒ってるような態度じゃないかな?もちろんロシア人に対してもそう。
なんで怒られるのかは特に理由がないと思います。
ただその人の性格(?)か、気分次第かな。
Aさん
特に、理由がなくても、怒られる…ような気がする。
Oさん
うん。そう思います。
ただ、それに何か外部からの刺激(ロシア語通じない日本人とか)があったらもっと気分悪くなるかも。
それじゃあこの、
あごで「こっちへ行け!」ってやってるけど、これもイライラしてるからだね?
Oさん
それは、普通の「こっちへ行け」という表し方じゃないかな。
怒ってるようにみえるのは、日本ではこうやってあごでしないからだと思うよ。
日本のやり方に慣れているからこそ、そうじゃないやり方だとびっくりするんだ。
Rさん
そもそも、ロシアにはサービス業における接客マナーという概念がないわけ。
ソ連時代からの遺産だと思う。
私にはちょっとした説があるけど、ここで述べてもいい?
接客マナーというのは、そもそも売り上げを上げるためのものでしょう。
普通は、お客さんに失礼な態度を見せると、だれも店に来なくなる。
客を引き寄せるために親切に、丁寧に応対するわけだ。
だけど、ソ連時代は何もかも公有となったとき、客を引き寄せる必要がなくなった。
競争がないからね。
「おなかがすいてきたらどうせ店に来るだろう」
「旅行したくなったら、どうせ鉄道を使うだろう」
といった論理かな? :)
こうやってソ連で育ってきて、暮らしてきた人はすぐに変わるのは無理でしょう。
ここ15年間でちょっとは変わってきたし、将来もだんだん変わっていくと思うけど。
ちなみに、このような、「怒っている」店員の天敵は笑顔!
こっちが笑顔で話しかけたら、相手も笑顔で答えるしかない。
もう一つは同情です。
こっちか ら、
「こんにちは、今日は客が多すぎて、大変ですね」
「寒いのに、ずっとここで立っていますか。大変ですね」
とか言って話を始めたら、絶対に親切に答え てくれる。
「自分は客だから、お前が先に親切になれ」
というプライドを捨てて、同じ人間として話せばいいの。
もう一つ注意しなきゃならないことはイントネーションだと思う。
言語が分からないときは相手の気持ちをイントネーションでしか判断できない。
だけど、ロシア語と日本語のイントネーションのパターンがすごく違うんだ。
ある日、ロシア人の友達と普通にしゃべっていたら、ロシア語の分からない外国人に、
「二人ってけんかしてるの?」
と聞かれたことがある。
確かに、最初からイライラしている店員もよくいるけど、言語が分からない日本人にとっては、怒っていない人、普通にしゃべっている店員も、笑顔がないと怒っているように見えることもあるかもしれない。
何ヶ月間かここ(ロシア)に住めば、少しは慣れると思うけどね。
それでは最後に織田さんが描きおろしてくれたおまけ漫画で締めくくりたいと思います!
今回、憧れのおそロシ庵さんに記事を載せていただけるということで
本には描けなかったエピソードを描きおろししています。
織田博子 作品集へのリンク(http://odahiroko.skr.jp/)
Twitter(@Odahirokoillust)
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