今年、2013年の5月5日はロシア正教のイースター。
欧米のイースターとは年によって同じ日であったり、今年のように1か月以上の差が出たりします。
ロシア正教では、イースターは大事なお祭りです。
私はロシア正教ではないけれど、去年からはイースターの日を大切にするようになりました。
それは、イースターの前の7週間は断食をするようになったからです。
今回の記事ではこの苦しいと思われる断食について紹介したいと思います。
記者:Handusha
その前にまず、なぜ宗教が違うのに断食したのかについて簡単に説明したいと思います。
私はシベリア生まれ、モンゴルに近い地域で育ちました。民族としてはロシア人よりモンゴル人に近いです。
でも、国はロシア。典型的なスラブ系ロシア人じゃなく私のようなアジア系ロシア人はたくさんいて、それぞれの習慣や宗教が違います。
私の民族はブリャート民族、宗教はチベット仏教、食文化を含むいわゆる文化はどちらかというとモンゴルに近いのです。
食事は主に肉。
いや、毎日肉を食べます。
いやいや、一日3回とも肉が出ることが普通です。
ということなのでで、私のような人間が肉を断つというのは周りの人がびっくりするくらいの事です。
ではなぜ挑戦しようと思ったかというと、自分は色々なチャレンジが好きだから。
普通の生活で慣れている事や物(肉)を抜いても生きていけるのかというチャレンジをしようと思っただけです。
バカだと思われるかもしれませんが、自分自身の我慢力や志を試す方法は他にあるでしょうか?
そんなわけで断食しようと思いました。
私の宗教、チベット仏教には普通の人が体験できる断食の習慣は見つかりませんでした。お坊さんがやっているのがありますが、それはよく分からないので辞めました。
断食で有名なイスラム教のものも考えたけど、それは厳し過ぎて自分には無理だと判断しました。
結局、自分の国でたくさんの人がやっているものを選びました。それがロシア正教の断食です。
毎年、マースレニッツァが終わった後に断食がはじまります。
本来この期間はただ食べる物に制限をかけるだけではなく、毎日お祈りしたり、遊びなどを控える時期です。お酒ももちろんだめ。
7週間のうち1週目と7週目がもっとも厳しいといわれており、7週間の全期間を守れない人は少なくともこの最初の1周間と最後の1周間の2週間だけ断食をすることがあります。
詳しくは、以下をご覧ください。
・Wikipedia:大斎
・おそロシ庵過去記事:日本の皆さんにロシアのマースレニッツァ(バター祭り)を紹介します
では日本で暮らす場合、肉、魚、卵、牛乳を避けて何を食べればいいのでしょうか。
そう思いスーパーに行きました。
まずは、大豆。豆腐、納豆、揚げ物は普段そんなに食べないけど、今回はほとんど毎日とるようにしていました。納豆は今まで一番安い極小粒を買っていたけど、せっかくなので大粒、中粒、小粒ぜんぶ食べてみました。結果、中粒か小粒がお気に入りです。
また、普段行かない漬け物コーナーで色々なものを試してみました。一番気に入ったのは高菜漬け。
肉なしのカレールーも発見。味はうすかったです。
そしてもちろん野菜を普段よりたくさん食べるようになりました。
キノコ、芋、根類などで料理にボリュームを付けて、肉が足りないことはほとんどなかったです。
もっとも足りないのはデザート。ほとんどの製品は卵か乳製品が入っているから食べれません。
そんな中で私が食べたデザートは以下の物です。
ロシア料理の味付けは主に塩こしょうだけです。豆腐や揚げ物には合わないなと思って麺つゆと出汁も購入。だしは昆布。
外で食べる時は、出汁が鰹だろうと思っても無視です。細かいところまで考えないほうが楽ですから。
ちなみに、外食は大問題ですね。
断食中の人が食べられそうな料理屋はイタリア(ペペロンチーノ類、フレンチフライ)、インド(野菜カレー)など。
中華は特に難しいです。
ということで、外食をできるだけ避けて肉や魚も買わないで7週間を過ごすとうれしいことに普段より出費が低くなります。
スーパーに行く度に新しいものを発見したり、中身を調べたりすると楽しい。
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5月5日のイースターで断食は終了。本来は卵を食べる日ですけど、私は肉を食べました。
今回の断食を終えて私は肉が大好きだと改めて実感したんです。
3月18日から始まり、5月4日に終わった断食、チャレンジしてよかったです。
なので来年も断食するとおもいます。
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