日本の皆さんにロシアのマースレニッツァ(バター祭り)を紹介します

先日の記事でマースレニッツァのブリヌイを紹介しました。が、管理人自信、マースレニッツァはブリヌイを食べるということくらいしか知らず、何をやるんだろう?と思いロシア人の友人に聞いてみたところ、「週末マースレニッツァのイベントに行くから日本に紹介してあげる」と記事を書いてくれたので紹介します。しかも日本語で書いてくれました。ありがたいです。

人形を燃やすバター祭り

ロシアにはмасленица(マースレニッツァ)、直訳でバター祭りというものがあります。古いスラブのお祭り。冬を送り、春を迎えるお祭りです。マースレニッツァは1週間続き、その期間のごちそうは太陽の形をしたブリヌイ。キリスト教が入ってきてからもこのお祭りは続けられ、四旬節(復活祭の準備期間。断食をする。)に入る前のお祭りとなりました。その時にブリヌイにつけるバターからバター祭り、「マースレニッツァ」と名付けられたそうです。

記者:Murasakitonbo


このマースレニッツァ週間には毎日違ったことを行います。ただし、現在ではこのしきたりをすべて守る人は殆どいません。どんな行事をやっていたかというと次の通りです。

月曜日 「出迎え」
朝、姑が嫁を実家に送る。夜、その家に遊びに行く。
ブリヌイを作り始める。最初の何枚かを貧乏な人にあげる。マースレニッツァ人形を古い服などから作り、棒にさし、そりに乗せて街を走り回る。

火曜日 「zaigrysh」(直訳できない。遊びというような意味)
この日はお見合いなどをしていた。朝から山で滑って遊んだり、ブリヌイを食べたり、知り合いや親戚を呼ぶ。「山もできたしブリヌイも焼いた。うちにいらっしゃい」って。

水曜日 「Lakomki」(ご馳走?)
男性は義母のところへ行き、義母の作ったブリヌイを食べる。この日は娘の夫に対して義母が優しくする。

木曜日 「Razgul」(大はしゃぎとか盛り上がりとかいう意味)
この日から本格的にマースレニッツァが始まる。家事をしてはいけない。人々は思い切り楽しむ。乗馬、戦い、いろいろあった。木曜日の一番大事なイベントは雪のお城を襲って自分のものにするという遊び。木曜のこの遊びの意味は長い冬でネガティブになった気持ちを吹き飛ばすこと。焚き火を飛び越える遊びもあって歌も歌った。

金曜日 「義母の夜」
今度は義母が娘の夫のところに遊びに行く。ブリヌイを作るのは娘。義母は一人じゃなくて親戚や友だちと一緒に来る。婿は義母に対して親切にしなくてはならない。

土曜日 「夫の姉妹の集い」
若い妻が夫の親戚を家に呼ぶ。そして夫の姉妹に何かプレゼントをする。

日曜日 「見送り」
一番大事な日。キリスト教の時代になってから四旬節の準備をする日になった。家族みんな、お互いに「私はいろいろ悪いことして傷つけたこともあると思うけど許してください。」と言いあう。夜は亡くなった人を思い出す時間でお墓参りもしていた。また、サウナに行く。祭りの食べ物が残っていたらそれを燃やして食器をちゃんと洗う。この日の終わりにマースレニッツァ人形を燃やす。

今年のマースレニッツァ週間は3月11日(月)から17日(日)。私は去年からマースレニッツァ人形を燃やしているところを見たかった。去年も行ったのだが、燃やすのを待っている間に体が冷えてしまったので近くのカフェに入り待っている間に人形は完全な灰になっていた。だから今年こそは燃やしているところを見届けるぞと、モスクワのマースレニッツァのイベント会場の一つ、コローメンスコエへ行ってきました。

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ロシアンサムライは常に武器を持ち運ぶ。食べるときでも油断はできない。因みにこの武器はPalitsa(パーリツァ、棍棒)である。

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寒い中頑張って盛り上げようとしてる人々。ちょっとした遊園地。

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後ろに見える子とはまるで別な世界にいるようなつまらなそうな顔の子供。

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こういうタイプのおばあちゃんは一番怖い。

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おしゃれカウボーイ登場。

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はちみつの市場もあったのでついでに寄ってみた。

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(ちょっとボケてるけど)中はこんな感じ。はちみつの市場は一ヶ月間だけ、年に2回開かれているから大人気。

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いろいろな種類があって試食は自由。あっちこっち試食しながら一周するともうお腹いっぱい。学生の頃、この市場は大学の近くで開かれていたから何回もそこでお昼を済ませたものです。

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これはバターではありません。はちみつです。

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つまらなそうな大人たち。アトラクション乗ってる時携帯電話でしゃべるな。

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かわいい(?)お嬢さんがなにか配ってた。人気者でいろんな人に写真お願いされてる。

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メインイベント広場へ移動。ウサギちゃん寒そう。

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メニューはこちら。左から魚、ビール(因みに気温マイナス5度)、BBQ、肉のかたまり、ブリヌイ。

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バイキング?氷の上は歩き辛いって。

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マースレニッツァ祭りで一番人気の飲み物、Medovuha。蜂蜜をもとにした弱いお酒(5%くらい)。ロシアの伝統的なアルコールである。蜂蜜が入っているから体にいいとか。

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ステージの赤ん坊がよくわからない曲を歌ってる。でもお客様は真剣に聞いてる。

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楽しそうじゃないか。

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踊って歌って盛り上げよう!!

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因みにこれがマスレニツァ人形。冬を象徴しています。祭りの終わりにこいつを燃やすぞ。

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Medovuhaは大人気。ゴミを捨てておいてくれれば完璧だったのに。

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と、周りを見ている間にステージの人が代わった。なんでこの帽子かぶっているか不明。

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おおお。燃やし出した!!!冬め、死んでしまえ!!春がやってくるぞ!

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紫の髪かっこいい。自分も欲しいなあ。

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BBQ。これも祭りの欠かせない品である。まあ、祭りというか一年中買えるけどね。

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山から滑る。楽しい!登ってる人が坂のど真ん中歩いてて危ないけど。

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ピクニック。

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こちらも伝統的。特に夏場はいろんなところで見かける。子供が大好きな物。

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雪だるま。

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あ、ここだ!例の髪がいろいろある。好きな色をどうぞ。

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これも伝統的です。Rucheyokという遊び。ペアになって手を結んで高く上げて並びます。トンネルが出来ました。前から人が入って、誰かの手を握ってペアをバラバラにして、トンネルを通って後ろで並ぶ。一人にされた人は前へ出てまたトンネルに入って誰かの手を握って・・・という流れ。知り合いと遊んでいると気になるあの人とちょっとの間手を握っていられるという楽しさがあるらしい。

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これは列の前。

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自分たちだけのポケットマースレニッツァ。

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この人は本物です。

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帰りに謎の広告発見。布団とお出かけ??

マースレニッツァ人形を燃やしているところを見れたし、そりで滑ったし、散歩もしたし、マースレニッツァを満喫出来ました。日本の皆さんもこの時期にロシアに来ることがあればぜひ参加してみてください。

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