ウクライナの壁で遮られた区画で暮らすジプシーたち

ロシアの掲示板でウクライナにすむジプシーが話題になっていたので紹介します。
翻訳文の前に以下をお読み下さい。

おそロシ庵のロシア人、Murasakitonboの前書き

 
ロマ人って好かれていない。ロシアでもウクライナでもそうだと思う。ロマ人のイメージは、汚い、子供が多い、スリが上手、怠け者。
恥ずかしいが私も大体そのイメージで、あまり深く考えたことがなかった。この記事を読んで初めて気がついた。それって差別だねと。
 
※ロマ人:ヨーロッパにおけるジプシーの最大勢力で、北インドが起源のジプシー民族。
あるニュースサイトによると、ロマ人は社会の蚊帳の外というか、ウクライナなどの国の社会にから余所者として受け取られていて毎日のように差別されている。
 
皮膚の色が白くないから子供が学校に入れなかったり、匂いがどうのこうので医者に見てもらえなかったり、ロマ人だからきっと盗むだろうと仕事を断られたりする。
ウクライナには20万人のロマ人が暮らしているのに、自治体にも地域レベルでも国のレベルでも代表されていない。つまり、社会から、国から無視されている。
だけど、「我々はウクライナ国民で、ここに住みたいし、子供もここの学校に通っている。ロマ語があるのに、公的に認められていない。認めてほしい!選挙だって参加したい。代表されたい。」と思っているロマ人がいる。
 
スリをして暮らす人もいるかもしれないけど、だからといってみんながそうというわけでもないし、一般化するのはよくないと思った。
ロシア人はみんなウオッカを飲んでいる、そしてロシアって一年中寒くて雪って思われるのと同じじゃないかと。
そもそも「ロシア人は・・・」とか「ジプシーは・・・」とか簡単に片付けようとする時点で間違っているのではないか。
詳しくなにも知らないのに、イメージだけで民俗全体を批判するのって最悪。コメントを見れば分かるが、残念なことにそういう人はまだ多い。

それでは以下翻訳です。

ウクライナのジプシーの暮らし方

Как живут цыгане Украины
大きな漂泊隊は壁で遮られた。市民たちはそばを通るだけでも怖い
ここでは自分たちの法律だ。国の中の国。町の中の町。
 
ウクライナの一番汚いところ。
というかウクライナと呼んでいいかどうか。
 
こんな面白そうなところを見逃すわけにはいかないので、行ってきた。
 
 
 
近づけば近づくほど、なんかチェルノブイリ立入禁止区域に似た雰囲気で、人々が逃げた跡のような感じ。放置されたマンションもあったりする。
 
アスファルトのことを彼らは多分知らない。これは学校。
 
 
ザカルパッチャのベレホヴェ市はユニークなところだ。まず、市民の大半はハンガリー人で、ハンガリーのパスポートを持っている。
そして、ここで暮らしているジプシーのために学校が建てられた。ウクライナの学校だが、ハンガリー語とロマ語を教えている。
俺が学校を覗いた時、ちょうどインフルエンザの学校閉鎖で生徒はいなかった。校長はいたのでいろいろ案内してくれた。
 
とても独特な学校で、8年を終わらせるのは入学した人数の3分の1くらい。やめてしまう理由はいろいろあるが、だいたい本人が嫌がるか両親が嫌がるかだ。
 
だから人クラスは少人数。
 
つい最近まで卒業写真なんかなかった。ジプシーの家族は反対だったからだ。
しかし写真をとる習慣が根付いたため、今はちゃんと準備している。
多くの子供にとってこの写真は生まれて初めての写真である。そして多くの子供にとって一生で唯一の写真となることも。
 
見た目は普通だけど
 
学校の食堂
 
子供の作品。お城の壁にウクライナとハンガリーの国旗がついていて、中に教会が入っている。
隣の絵は幌馬車。ジプシーに、「あなたは何人ですか?」と聞いたらなんて答えると思う?
 
絵の授業で、タラス・シェフチェンコを描くが顔はなんだかジプシーっぽい
 
学校のすぐ後ろあたりから第七区域がはじまる。第七区域というのはジプシーの暮らしているところだ。
 
まだ戻れる。
怖いか?
いや、怖くはない。
それに、ブルガリアでもジプシーの区域を散策したことがあって、その経験を踏まえてきっと大丈夫だろうと思っていた。
 
この白い壁はジプシーと世の中を遮っているだけではなく、2つの時代、2つの世界、2つの文明を遮っているのだ。
 
ご覧のとおり、ウクライナの他の場所と全然違う。これは中央通り。ここはまだなんとか通れる。
 
横の道は長靴じゃないと通れない。
 
ブルガリアの気さくなジプシーと違い、ウクライナのジプシーは暗い感じで、よそ者を見た瞬間に顔をかくして写真撮られないようにしていた。
漂泊民は攻撃されたかのようにざわついていた。女性は大きな声を出したり、男性は携帯を出してどこか電話し始めたりした。
入り口から100メートルほど歩いたら、出て行けと言われた。
 
どうしよう?このまま帰るのは惜しかった。
一番確実なのはボスに協力してもらうこと。でもどう探せばいいのか?すると運良く子供があらわれ、連れて行ってもらうことになった。
 
病院の建物に入った。部屋には映画に出てきそうな男性が3人がいた。話していたのはボスだと思う。ジプシーの苦しい暮らしについて話して、他所の人が来て写真撮ったりして嘘の情報を載せたりするということも話した。犬を食べるだとか。俺らは韓国人じゃないのにと言っていた。
俺は、「韓国に行ったことあるけどそんなに犬を食べていないよ」と言い、バカなことを書かない約束をした。だって俺はいくつかの漂泊キャンプへ行ったことあるから。
なぜだかわからないけどボスは信じてくれて、ちょっと散策して写真をとるの許可を出してくれた。しかも甥っ子を案内とボディーガードとして出してくれた。
頭を上げて街に戻った。ボスの許可あるから誰も追い出さないぞ。
 
これは多分ボスの娘。彼女以外はこんな服装しないし、恐れず水たまりを踏む人もほかにいないだろう。
 
インドなんか行かなくていいくらいとてもおもしろいかっこうしている。まあ、そもそもジプシーはどこから来たのか忘れないようにしよう。
 
ブルガリアのジプシーもここのジプシーも同じ民俗とされているが、実際はウクライナ人とブルガリア人が違うのと同じくらい違う。見た目も性格も。
 
生き方だけはみんな同じだ
 
 
ちょっと汚いなあと思った?
いや、ここはね、ガスマスクを夢見るくらい、超ありえないくらい汚れているんだよ。
 
あなたは写真を見ているだけで想像できないかもしれないけど、ごみを歩くのって結構いやだった。でも面白い。だから文句は言わない。
 
家はゴミ捨て場で見つけたもので作る。ガラスはないので工夫して暖かくする。因みに、冬はマイナス10度と雪は普通のことだ。
 
その寒いとき、この泥が凍ってまだ歩きやすくなるのならいいけど。
 
ジプシーが働かないなんて嘘だ。ここでは道を掃除したりごみを捨てたりしているの見かける。
 
こどもはどこでも同じだ。
 
多くの子供はあの例の学校に通っている。小さいころは通うけど、大きくなったら、「必要ない」と思うようになってやめる。両親も同じ考え。
 
2世代だけちゃんと学校で10年間勉強すればこの街もすっかり変わるだろうに。まあ、そうなれば、ジプシーがジプシーじゃなくなる。
 
 
これは一般的な家。一人でも、家族ででもこんなところで暮らしている。
 
外観
 
こんな暮らし方をかわいそうと思うべきなのか。
 
彼らは彼なりに幸せだと思う。
 
ジプシーであるということは自由であるということだ。よくわからない制限や規則がなく、なにもかも気にせず自由に振る舞う自由だ。
 
ロシアにこんなのない?
 
偉そう
 
この子どもたちと自分の子供を遊ばせる?
 
店がある。
一見、空っぽだけど…
 
よく考えたら、外の世界向けの店だと分かる。ジプシー用にカウンターがある。念の為に。
 
ジプシーは旅をしなくなった。馬車の代わりに家を作った。でも定住したかといえばそうではないかもしれない。
 
 
 
 
Хулинадо
娘、かわいいじゃん。
 
 
 
OldGarry
Хулинадо
シラミもいっぱいいそうだしね。
 
 
 
Семья
この文を読んでいる間に馬を盗まれた。
 
 
 
Antonim
読んでいる間、小銭なくなったじゃん。
周りに壁があるならコンクリートを流してしまえ。
 
 
 
stan0766
テーブルにおいてあったお金がなくなったっぞ!
 
 
 
OrdoXenos
多くの子供にとって一生で唯一の写真となることも
あともう一枚、刑法訴訟の書類で。
 
 
 
Urii82
やばい。
掃除してそれ以上汚さないってことは宗教上禁じられているの?
 
 
 
padre666
あの白い壁を隙間な
くなるまで完成させて、
漂白剤を流して2週間待って、
その後に門を作って入場証で外に出させる。という計画どう?
 
 
 
dedpixai
電車があるのなら、ナパーム弾を運んで来られるじゃん。
 
 
 
Neurosurgeon
彼らは彼なりに幸せだと思う。
隣のウクライナ人も幸せじゃないかな。
 
 
anikifya
ジプシーの暮らし方って、スリだろ。
どうしてもそれしかできないだろ。
 
 
 
makarovdmy
こんな道なら麻薬を簡単に隠せるね。警察はたどり着かないから。
ジプシーってやっぱりジプシーだね。
 
 
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