ごめん、同級会には行けません。
今、カルムイク共和国にいます。
モスクワより南に約1200km離れたロシア連邦に属するこの国を、ヨーロッパで唯一の仏教国と呼ぶ人もいます。
これは首都のエリスタにある仏教寺院、БУРХН БАГШИН АЛТН СУМЕ(釈迦牟尼仏黄金僧院)。
日本の仏教ではなく、チベット仏教なので個人的にはネパールを思い出します。
土っぽさも含めて。
でもネパールとは全然違います。
あっちは山ですが、こっちは平原です。
住んでいる人たちは、モンゴル系の民族、オイラトのカルムイク人です。
彼らは1630年にこの地に国を築きました。
詳しくはWikiを見てください。
カルムイク料理
このような理由から、ロシア料理も食べますが、独自の料理が多いです。羊が多め。
これは羊の脂網で塩で味付けした羊のレバーと少々の玉ねぎとディルを包んだ料理。
私は羊とレバーが苦手なんですが、これは美味しく食べられました。
油が多いので多くは食べれないけど、焼き立ては臭みもなくジューシーでとても美味しい。
こちらは街で人気の食堂で食べた料理。
羊の内臓のスープ。
これはごめんなさい、やっぱり羊臭が強くて私は食べることができませんでした。でも羊好きにはたまらない一品だと思います。
ちなみに奥のお椀に入った白い液体は、お茶とミルクと塩を入れたカルムイクのお茶です。モンゴルとかのお茶と同系統のやつ。油っこいけど美味しい。
丸い茶色い重なったやつはパンの一種。ホットケーキミックスで作るドーナツみたいな味だけど、もっとふわふわで軽い感じのやつ。これもちょっと油っこいけど美味しい。
カルムイクとソ連
スターリンの時代、カルムイクの人たちはシベリアに強制移住させられました。
このような列車に詰め込まれ、運ばれていったそうです。劣悪な環境のため、移動中にたくさんに人たちがなくなったとか…。
強制移住が1944年、13年後の1957年になって住民の帰還が許されました。
街にはソ連っぽさも残ります。
例えばこのようなモスクワでも見かけるようなアパート。
モスクワで見るようなアパートよりも格子のデザインが特徴的な気が。
このタイプが多い印象です。
また、街の中心部にはレーニン像があったそうですが、
現在は中華街っぽい門ができ、レーニン像のあった場所にはこのような光り輝く塔が。真ん中にはマニ車が設置されています。
レーニン像はどうなったのかというと、
塔の向かい側の少し離れた位置に移動。ソ連も終わったし、中心から少し退いてもらったとのことです。
ちなみにレーニンはカルムイクの血を引いているらしい。
カルムイクの草原
街の中心を本当に少しだけ離れると、360度地平線が見えます。
これはなにもない草原の真ん中にぽつんと1本だけ立つポプラの木。
信仰の対象になっています。
ちなみにカルムイクの草原はチューリップで有名です。
春になると、この草原は一面チューリップの花で覆われ、絵に描いたような風景になるそうです。
そして、カルムイク犬の子犬と猫が仲良くしている様子にやられました。
2020年かわいいグランプリ優勝
この犬はカルムイクの固有種で、狼とも戦える強さを持っているとか。
そう聞くと凶暴そうですが、人懐っこくてとてもおとなしい。かわいい。連れて帰りたい。
そして猫も。たくましく草原で暮らしています。(飼い猫だけど)
後ろにはラクダも。
そして草原には馬が放牧されています。
この国を南北に縦断する地下鉄の建設予定は聞いたこともありません。
本当は、あの頃のことは何一つ覚えてないけど……。
でも、今はもう少しだけ知ったかぶりをします。
私の乗るこの馬も、きっといつか、誰かの青春を乗せるから。