【みんなコロナのせい】モスクワの警官に中国人と間違えられて連行されました

※2020/2/25の話です。現在(3/26)とは状況が変わっております。簡単な補足を最後に追記しました。

本日、モスクワのメトロの駅のホームでロシア人(寒いモスクワツアーに私といっしょに同行したチンギスさん)と待ち合わせをしていました。

一方はロシア人、そしてもう一方は日本人だけどロシア時間が染み付いて最近時間を守った試しがない私。
ふたりとも時間通りには到着しなかったのですが、私のほうが一足先に駅に到着し、ホームに設置してあるベンチでスマホをいじりながら時間を潰していました。

駅のホームには何故かいつもより警官が多い感じでしたが別段気にするでもなく、一心不乱にスマホでインターネットを楽しんでいますと急に話しかけられました。

チンギスさんが到着したのかな?と思いスマホから目を離し、顔を上げると一人の警官。若干若めの男性警官。

「パスポート見せて」

このセリフ、10年くらい前まではよく街で警官から言われた言葉です。最近はあまりないのですが、当時は警官による外国人へのパスポートチェックが頻繁にありました。

ちょっと懐かしさを感じ嬉しくも思い、パスポートを取り出し、警官に渡します。

余談ですが、ロシアでは外国人のパスポートの携帯が義務付けられています。(厳密に言うとロシア人もだけど。)
なので、ロシア旅行の際はホテルにパスポートを置き忘れたりしないようにしましょう!今回のように警官のパスポートチェックに遭遇するととても面倒なことになりますので。

話を戻します。

パスポートを警官に渡した私。何もやましいことはしていないのですぐに終わるだろう、いい暇つぶしだと思っていたのですが、なにか様子がおかしい。
警官は私のパスポートを表紙から何から全部じっくり見て、とりあえずこっちに来てとベンチから立たされ、他の警官がいるホームの真ん中へ誘導されます。

私に話しかけてきた警官が、他の男性警官に私のパスポートを見せてなにか相談しています。
そしてまた私に、ついてきてと言い、駅から出るエスカレーターへ誘導します。
その間にももう一人、年配の女性警官に私のパスポートを見せ何かを話しました。

ロシア名物の長い長いメトロのエスカレーター。
特に警官は厳しい表情でもなく、フレンドリーに「ロシア語話せるの?」「英語は?」などと話しかけてきます。
「ちょっとだけ話せるよ」と返事をしながら、待ち合わせをしていたチンギスさんに、「今、警官に連行されてホームから出た、待ち合わせ場所に行けないw」とスマホでメッセージを送信。するとすぐにチンギスさんから、「いまホームに着いた、他の警官に聞いてみる」と電話。その後電話の奥からロシア語で何やら言い合ってる声がかすかに聞こえます。
その間も別にスマホを触るのをやめろとか警官は言ってこないので、やっぱ大したことないなと思いつつ、なんで連行されてるんだろう?と疑問が残ります。警官は何も説明してきません。
薄々理由がわかっていたのですが、面白そうなのであえてこちらも何も言わず、連行されます。

長いエスカレーターを登り終え、メトロの出口の脇にある一般人が開けられない扉を警官が開き、中の階段を登れと誘導。そして小さな事務室へ連れて行かれました。

事務室の中には二人の男性警官が一つの机に向かって何かをしています。
そして私を連行してきた警官は、私のパスポートをもう一度くまなくチェックし、サムスンのタブレット端末を取り出し、パスポートの写真を撮影。
その後、私を事務室の外につれて、壁の前に立てと言い、タブレットで私を撮影。
「映画でよく見る刑務所で写真撮られるやつみたいだ!」と私もノリノリで笑顔を作り、マフラーをずらして顔がよく見えるようにして撮影してもらいました。なんて協力的なんでしょう。

そんなことをしていると、さっきホームにいた年配の女性警官に連れられ、チンギスさんが事務室に入ってきました。
開口一番、「彼は日本人だよ!」
その言葉を聞き、顔色が変わる事務室にいた警官二人と、私を連行してきた警官。
特に私を連行してきた警官は慌てたふうに私のパスポートをもう一度じっくり観察。
表紙に書いてあるJAPANの文字を指差し、「あー!!もう行っていいよ!!」と苦笑い。私は爆笑。事務室に最初からいた警官二人は呆れ顔。
やっぱり思ったとおりだった。

というか何よりも、最初に渡したときJAPANって書いてる表紙じっくり見てたじゃん!!!

笑いながら事務室、駅から出てチンギスさんが話してくれました。
想像通り、新型コロナウィルスのせいで現在モスクワでは中国人をチェックしているらしく、どこに泊まっているか、どのような場所へ行っているのか、などを記録しているのだとか。
もし感染者が見つかった場合の感染経路把握のため。これはロシア全体で行っているのではなく、モスクワの警察が独自に行なっている調査らしい。

チンギスさんを事務室に案内してくれた女性警察官からこの情報を聞いたとのこと。
ちなみにこの女性警官は「あの警官が間違えただけ」「私は彼が日本人って知らなかった」と私に滅茶苦茶怒られると思い、かなり焦っていたらしい。
こんな楽しい経験させてくれたんだから怒らないですよ。安心してください。

その後、二組のロシア人たちと会ってこの話をしたら、みんな爆笑。

「ロシアらしいアトラクションだったね!」

と面白がっていました。

この言い方、ロシアでトラブルがあるとよく言われます。

数年前、モスクワのメトロで財布をスられたことがあるんです。
その時の状況というのが…、

モスクワのメトロで財布をすられた

ちょっと混雑している車内。
私は開かないドア付近(モスクワメトロは基本片側しか開かない)に陣取り、スマホをいじっていました。
そのときうかつにも、コートの前ポケット(両脇にある手を突っ込める位置の)に財布を入れ、ポケットにチャックが付いているにも関わらず、チャックをあけっぱなしでいました。

すると突然、前にいた二人のロシア人男性が言い争いを始め、一人がもう一人を突き飛ばしました。
突き飛ばされた男性は私に勢いよくぶつかり、私も後ろのドアに押し付けられる形に。
私にぶつかった突き飛ばされた男性は私に、「ごめん」と言い、再び先程の男性と言い争いを再開。
すると、椅子に座っていたもうひとりのロシア人男性が立ち上がり、喧嘩をしている彼らをなだめに入ります。
三人で軽い言い争いをしながら落ち着きを取り戻しつつ、電車は駅に到着。その三人はまだ軽く言い争いながら電車を降りていきました。

先程の駅でほとんどの人が降りたため、がらがらになった車内。電車が動き出すと、椅子に座っていた女性が私に、「手袋が落ちてるよ」と声をかけてきました。
ありがとうと返事をしながら手袋を拾い、入れていたはずのポケットへしまおうと手を突っ込むと違和感。

ない、財布がない。

そう、あの喧嘩に巻き込まれて、男が私に突っ込んできたときに、ポケットにも突っ込まれていたのでしょう。やつの手が…

幸い、財布の中に現金は200ルーブル(約320円)しか入っていませんでした。
入っていたカード類はすぐに停止したので被害額はそれだけ。

この話をロシア人にすると、こう言われます。

「ロシアの体験型演劇じゃん」

「200ルーブルで演劇を見られたならラッキー!」

コロナとスリ対策は万全に!

話がそれましたが、本日、ロシア最終日にとても貴重な体験ができたので結果的には良かったかな。

おっちょこちょいな警官も悪いけど、薄々理由がわかってたのにあえて何も言わなかった私も悪い。
心残りはおっちょこちょいな警官と一緒に最後記念写真を撮ればよかったかなと…。

ということで、スリとコロナには十分注意しましょう!
うがい手洗い、財布はチャックのついた場所へ入れチャックを閉めてね!

それじゃあパカパカー




おしまい





追記
今こそこのシャツを着るべき時期なのかもしれない。
いくら暖冬とはいえ、この季節にモスクワでシャツ一枚はクソ寒いけどw

追記その2
2020年3月26日現在はこの記事を書いた2月25日とは状況が変わっています。
まず、外国人へのビザの発行が停止され、モスクワ-他国の首都間及びチャーター便以外の航空機が全てロシアへの侵入が禁止されました。
それが数日前でしたが、3月27日から全ての航空機が禁止されることとなりました。
今後どうなることやら…早く落ち着いてほしいですね。

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