大陸トラベルとおそロシ庵のコラボツアー、「寒いモスクワツアー2017」が先日無事に終了いたしました。
参加していただいた皆様お疲れ様でした!そしてありがとうございました!!
参加したかった!との声もたくさん届いておりますので少しでも雰囲気がわかればと何回かに分けてツアーの様子をお届けしたいと思います。
今回はアイスクリーム工場見学をレポート。
わざわざ寒い冬に何でアイスクリーム工場へ?と思いの方が多いと思います。実はロシア人は真冬にアイスクリームを食べるのが大好きなのです。寒い中食べればとけないのでゆっくりと美味しさを味わえる。アイスクリームのほうが暖かい。などいろいろな理由を耳にします。今回のツアー開催にあたり、せっかく寒いモスクワに行くのだから寒い中のアイスクリームを体験してみようと考えていましたが、どうせならばアイスクリームを作っている工場へ行ってみるのも面白いのでは?と工場見学が決定しました。
結論から言うと、行ってよかった!とてもいい体験ができましたので簡単にですが紹介したいと思います。
”本物”のアイスクリームを作る工場
モスクワの北部、中心からちょっと離れた郊外に工場があります。お世話になるのはチスタヤリニヤというアイスクリームメーカ。アイスクリーム制作の基本に則り、余計なものを入れず、牛乳からきちんと作っている真面目な会社で評判はかなりいいです。昨年プーチンが中国へアイスクリームをおみやげに持っていったとニュースになりましたが、持って行ったアイスクリームはここのアイスクリームだったと噂されています。あくまでも噂で、実際にプーチンがどのメーカーのアイスクリームを持っていったのかは公表されていません。
早速工場へ入ります。工場内の見学コースはカメラ持ち込み禁止。しかし、工場のスタッフがカメラマンとなって撮影してくれましたのでここからはカメラマンが撮影した写真で紹介していきます。
まずはアイスクリームのパッケージなどに使う資材が置かれている倉庫。清潔なこと、きちんと安全性を考えて配置されていることなどが説明されていきます。
ちなみに工場内に一歩入ったときから甘い匂いがしています。
おそらく車の屋根に取り付けて宣伝するためのオブジェ。
青い帽子の男性が工場案内のスタッフ。隣が今回のツアーのガイドさん。そして奥でつまらなそうにしているのは看護師さん。もし何か怪我をしてしまったり、気分が悪くなった人が出てきたときのためにわざわざ全行程についてきてくれます。安全対策バッチシ。実はこの見学コース、もともと子どもたちのために作られたコースなのだそうで、安全対策などもそれに準じているのだそう。工場内は温度差があるので気分が悪くなる子供が出ることもあるとか。なので見学前の「絶対にやってはいけないこと」の説明が、「走らない」「車の前に出ない」「物に触れない」「ボタンを勝手に押さない」など大人にとっては当たり前のことオンパレードでした。
何を覗いてるのかというと…
アイスクリームを入れるためのコーンです。ロシアのアイスクリームはこのコーンに入ったスタカンチクが一番有名。スタカンチクとはこのコーンを指す言葉。もともとコップという意味の単語です。このラインでは焼きたてのスタカンチクが流れてきます。
もっと近づいて見るために作業場へ入ります。
中へ入るためにこの機械で手を消毒。
消毒が完了するとゲートのロックが解除される仕組みです。
できたてのスタカンチクに近づき…
できたて熱々のスタカンチクを試食!
食べながら工場見学を続けます。
続いてはアイスクリームをパッケージングする行程。いきなり最終工程の現場。
ここでは流れてくるスタカンチクに機械がアイスクリームを注ぎ入れます。注ぎ入れられるアイスクリームの温度は-5度。まだ完全に凍ってはおらず粘度の高いソフトクリームのような状態です。この状態のアイスクリームが注がれたスタカンチクはそのまま冷凍室へと運ばれます。冷凍室にもベルトが続いており、そのまま一時間かけて冷凍室の中を移動し-20度まで冷やされ、またこちらの部屋へと戻ってきます。
つまり、お店に並んでいるアイスクリームは-20度。気温が-20度以下になったときに外でアイスを食べれば気温よりも温かいアイスクリームを味わえることになりますね。
ここでもまた試食!-5度状態のスタカンチクを1人一個受け取ります。この状態でも美味しい。-20度状態で売られている市販のものを放置して溶かしても、表面から液体になってしまうのでこうはならないでしょう。つまりここでしか食べられない味。
続いてはこちら。エスキモーの製造ライン。エスキモーとはスタカンチクに並ぶ人気商品。チョコレートでコーティングされたアイスクリームです。
押し出されたアイスクリームが次々と棒に刺さり…
スタカンチクと同じく冷凍室へと運ばれます。
-20度に冷やされて戻ってきたアイスクリーム達。
そしてそのままチョコレートへドブ漬けされます。チョコレートの温度は確か60度。熱いのでどろどろに溶けています。しかし、この熱いチョコレートでアイスクリームをコーティングするわけですが、-20度のアイスクリームにチョコが触れるとそのままチョコレートは固まってしまうので再度冷凍の必要はないそうです。このまま手作業のパッケージング作業に入ります。
写真はないのですがこのエスキモーのパッケージはアルミホイルで包まれる方式です。ホームランバーのような感じ。日本のアイスでお馴染みのプラの袋でも以前はパッケージしていたそうなのですが、研究の結果アルミホイルで包むほうが鮮度も味も落ちないことがわかったそうなのでアルミホイル包装に戻したとのことでした。ちなみにスタカンチクは紙での包装です。それも全部手作業で行われていました。
そして最後はデコレーション教室。
ツアー参加の皆さんは黒塗りで。
お姉さんに教わりながらお皿にソースでいろいろ描き込んでいきます。
みんなの作品
このお皿の上に10種類くらいあるアイスクリームの中から3種類を選んで乗せてもらいます。
私のアイスクリーム。アンズとなんとかベリーとなんとかベリー。ベリーの名前ってなぜだか覚えられない。普段目にしないから。とにかく全部美味しかった。アンズが一番好きかな。でもこのデコったソースが味を邪魔する。ない方が美味しい。
ちなみにおかわり自由、いくらでもどうぞと言われたけど参加者全員おかわりしませんでした。遠慮したのではありません。なぜならばここまで約一時間で合計4つのアイスクリームを食べておりみんなお腹いっぱい。
さらに試食だけではなく、この見学に参加すると後日自宅に大きな箱でアイスクリームのお土産が送られてくるという特典付き。しかしというかやはりというか、日本の自宅にアイスクリームの発送など対応できるわけもないので、ガイドさんの旅行会社のほうでおみやげは全て孤児院へ送られる手配が取られていました。喜んでくれればいいな。
今回のお子様向けの見学コースとのことでしたがこの日の午後は80歳位のおばあちゃん達の団体予約が入っていたそうです。なぜだかこの日に限って高年齢な見学者達。お子様向けでも我々大人でも十分に楽しめますのでおすすめです。
他の日本からのツアーでは今のところどこも取り扱ってないので、興味のある方はぜひ次回の「寒いモスクワツアー」に参加してください!!
アイスクリーム工場内は全然寒くなくむしろ暑いくらいだったということを書き忘れていたので付け加えておきます。