今年の春と夏にモスクワで売られている宇宙食を手に入れたので紹介しようと思っていたのですが、すっかり忘れていて今年もあと僅か。
まだ味を覚えているうちに紹介したいと思います。
まず、モスクワには宇宙食の自動販売機があるんです。
このような自動販売機です。
この写真の場所はВДНХ(VDNH、ヴェーデンハー)、日本語に訳すと全ロシア博覧センターと呼ばれるソ連時代に作られたモスクワにある博覧会場の中のパビリオンの中です。
この宇宙食を販売している会社のHPを見ると他の場所にも設置されているのがわかります。
値段は一本300ルーブル。
自動販売機は100ルーブル札しか受け付けない謎仕様。隣にパビリオンの受付があるのですが、両替は対応してくれません。
「私はその自動販売機の会社と関係ないから知らない」と言われます。
もしお土産にたくさん買いたいのでしたら100ルーブル札を大量に用意していってください。
宇宙食を食べる!
さて、今年手に入れた宇宙食は2種類あります。
一つ目、ラッソーリニク。
ラッソーリニクとはロシア料理のスープの一つ。きゅうりのピクルスが入った酸味のあるスープです。
この宇宙食のラッソーリニクに使われているのは、ブイヨン、牛肉、ピクルス、ジャガイモ、スメタナ(ロシアのサワークリーム)、バター、米、タマネギ、ニンジン、根パセリ、パセリ、クエン酸、黒胡椒。
チューブの中身はこんな感じ。
見ての通り、スープではなくビューレのような状態。具はすべてペーストされています。
味はたしかにラソーリニクのような感じなのですが、食感がぜんぜん違うので別の食べ物のよう。まずくはないのですが美味しくもない…。
これを食べたのは3月に行われたカルカルでのイベントの打ち上げ。残っていただいたお客さんたちと一緒に試食しました。
そのときに食べた人に書いてもらった感想のメモが残っていたので箇条書きで紹介。
- ロシアの味
- おいしい
- 後味の缶詰感が独特でおいしい
- シーチキンっぽい
- ツナマヨ
- あとの残る味
- 魚を少し蒸した感じ?
- 離乳食
- ゆるい離乳食?肉の味はする!
と言った感想をいただきました。たしかにこれは離乳食だ。
そしてもう一種類。
トヴァロークのりんご味
トヴァロークとはロシアでよく食べられるカッテージチーズのようなもの。
そのまま食べたり、料理に使ったりします。
これは以前モスクワの市場で買ったトヴァローク。砂糖漬けのチェリーがトッピングされていて甘くておいしかった。
ロシアでは市場やスーパーなどどこでも買えるのですが、日本にはありません。カッテージチーズに似ていますが別物です。なので日本にいるロシア人たちは自分で作る人も多いです。牛乳とヨーグルトを使い作るそうなのですが、それはまた次の機会に。
話を宇宙食に戻します。
この宇宙トヴァロークの原材料は、トヴァローク、りんごピューレ、砂糖、バター、水、セモリナ粉。
開封
この日はロシア人の友人家族と公園へピクニック。お昼に買ったお寿司のパックのフタにとりあえず絞り出してみた。
それが間違いでした…
なんかね、すごく汚らしいですね。ごめんなさい。スプーン持ってきてちゃんとやればよかったです。
味はりんご味のトヴァロー
ク。ほんとうに普通。トヴァロークがイメージできない方はカッテージチーズとかチーズケーキっぽい感じをイメージしてください。ただし、ラッソーリニクのときもそうでしたがちょっと金属の風味がする。たぶんそれは容器のせい。
ク。ほんとうに普通。トヴァロークがイメージできない方はカッテージチーズとかチーズケーキっぽい感じをイメージしてください。ただし、ラッソーリニクのときもそうでしたがちょっと金属の風味がする。たぶんそれは容器のせい。
ロシア人の友達に食べてもらったらけっこう気に入ったみたいでお持ち帰り決定。その旦那(ウクライナ人)は一口でギブアップしてたけどね。「こんなのを毎日食べなきゃいけない宇宙飛行士はかわいそうだ」って言ってました。確かに。
余談ですが、この宇宙食を食べながら、「最近中国が宇宙進出してるけど、中国の宇宙ステーションで中華鍋使って普通に美味しい料理作ってそうだよね。」と一緒にロシア留学してた友だちと話していました。
なぜならばモスクワ大学の寮では中国人留学生たちが部屋を改造して勝手に中華料理食堂を作っていたから…。
そして昨日、この持って帰った宇宙トヴァロークはどうした?全部食べた?と聞いたところ、ケーキの生地の材料に使ったと返事が来ました。
なるほど!そういう使い方もあるのか!と感心。
はっきり言っておいしいものではないですが、話の種になるのでロシアへ言った際におみやげに買ってみることをおすすめします。