世界の琥珀の90%を産するロシア最西端の土地、カリーニングラード。
なかでもヤンタルヌィ(琥珀の意味)がその名の通り琥珀の産地として有名です。
今回はヤンタルヌィの海岸で琥珀漁をする人たちを紹介したいと思います。
以下翻訳です。
ミリオン漁
Рыбалка на миллион
カリーニングラード州のヤンタルヌィ村では、ハリケーン「フェリックス」のあと、貴重な琥珀の数千の欠片が海岸に流れた。ハリケーンによってダメになった電線を直す村人もいれば、琥珀を求めて海に入った人もいる。
1月15日。ヤンタルヌィの海岸に20台の車が停車している。
車のそばにはウェットスーツを着た寒そうな男たちがタバコを吸っている。
砂にすくい網が置かれている。5分間の休憩時間だ。
5分以上じっとしていると寒くなる。一方、まったく休まないわけにも行かない。
「水の中にどのくらいいたか分からない。興奮で時間を忘れてしまう。あと、疲れもあるし。一日こう過ごしてしまうと、次の日は起き上がれない。疲れすぎて。全身が痛くなる。」
とイワンが語る。
今日はあまり取れなくて、もう一回海に入る意味があるかどうか疑問に思っているらしい。
「あまり意味がないかな。風が変わっちゃう」。
一番儲かったのは、10年前。その時拾った琥珀は3千ドルで売れた。
イワンにとって琥珀を取ることが主な仕事である。無口な友達にとってはそれはどっちかというと趣味のようである。
「俺の給料は7千ルーブル(約14000円)。あまり食べ物買えないね。だからバイトをしないと・・。ここは一日で7千ルーブル以上儲かる可能性がある。」
と悲しそうに言う。
大きな波が去ると、海の中に百人近くの採取者が見える。
海岸には男ばかりだが、そんな中で一人だけの女性が目立っている。
海にいる男の一人の母親だ。
息子のイリヤは26歳だが、すでに10年近く琥珀漁をやっている。
もうプロだが、母親の心はやっぱり不安。
毎回息子と一緒に海岸に来るという。
「言葉にできないほど怖い。息子が海に入る度に心臓が止まりそうになる。波が去ると、海をじっと見る。息子はウェットスーツに線がはいっていて、網に青いリボンがついている。見つけたら、安心する。」
と母が言う。
彼女と息子にとって、それは唯一収入源である。
ヤンタルヌィ村に20年間近く住んでいる。
彼女は笑いながら最初のころを思い出している。
「琥珀工場の採砂場にこっそり入って琥珀を探していた。怒られて犬を放たれたり、殴られたりしたがやっぱり取りに行ってた。」
ここで息子のイリヤが海から出てくる。顔が赤く息が荒れている。
今のところとれた琥珀は4千ルーブル(約8000円)くらいの儲け。
「海が2~3日荒れているともっと取れる。カモメを見て、場所を確かめる。海の上をぐるぐる飛んでいるでしょ?琥珀はあの辺りにあるんだ。今はもう風が変わってしまうから、やめるか違うところに行かなければいけない。」
と、お母さんがしゃべっている。だけど、危ないのは海のなかだけではない。
「数週間前、琥珀購入者が殺された。犯人が彼と待ち合わせて、50万ルーブル(約100万円)持ってきてもらって殺した。それより小さい金額でも殺される可能性あるよ。」
と彼女が恐怖に怯えた目で語る。
採取者にはそれぞれ売り先が決まっている。
普段は個人のディーラーに売る。
そのディーラーがさらに別へ売ったり、アクセサリーを作ったりする。
小さめの欠片はかんたんに売れるけど、わりと大きなものは売り先が見つけにくい。
数週間前、ある男が100万ルーブル(約200万円)近くの価値がある欠片を見つけたと言われている。
「まだ売れない。売り先が見つかるが時間かかるであろう。」
岸に出た男のほとんどが喜んで質問に答えてくれる。
ある男の人が、
冷たい水で赤くなったほうをこすりながら、ニコニコしながら「4年間琥珀を取っている」と語る。
つい最近新しいウェットスーツを買ったと自慢している。貯金もできたらしい。
数日後、ウェットスーツの値段が倍も高くなった。3万から6万まで増えた。
「みんな琥珀を取ろうとしたからのではなく、両替レートが変わったから。」
と彼が加える。グッドラックと言わないでほしいと彼は言う。
網を手にとって波のなかへ消えていく。
ある瞬間、彼らは突然海から出てくる。僕の隣に立っているお母さんは、
「33人の勇者みたい。おそらく、この辺りにはもう琥珀がない。違うところに移動かな。」
※33人の勇者:プーシキンの昔話の登場人物。海から出てくる33人の勇者。
ここはもう何もないとなぜ分かるのか?と聞くと、
「100回網を海に入れても何も出ないということはもう移動してもいいってことでしょ。」
多くの人にとって琥珀漁は趣味で小遣い稼ぎでしかない。
「すごく運が良かった」って話を人の話でしか聞いていない。
高くても数万ルーブルの欠片。
「怖くないか」と聞くと、
「もしかして運良く高いものを拾って、死ぬまで何も苦労なく生きていけるかも。」
と一人が言う。
新しいウェットスーツの男でも古いボロボロのウェットスーツの人でも、同じことを夢見ている。
それは、100万ルーブルの琥珀を拾うこと。
だからこそ、イリヤは何回も何回も海に入って、彼の母は何回も何回も海岸に残って、線のはいったウェットスーツと網のリボンがどこにあるんだろうと海を見つめている。
scenium15
苦労だね。お金になるけど。
Poozan
怠け者だ。
鶏を飼って、人参、ジャガイモを作ったりすればいいのに、
なにもせずにお金を作ろうとしている。
PS. オレもそういう人間だけどな。
Conkistador
オレはバカみたいに家に居座っているのに対して、彼らは海からお金をとっている。
sertycat
あの辺りはどんだけ木が生えているわけ?
工場であつかうほどの量を取っているわけでしょ?
insaider
>sertycat
木の本数の問題ではなく、何万年そこに生えていたというのが問題。
jh7
>sertycat
毎日これだけの石油を出しているってどれだけの恐竜が生きていたわけ?
antonian85
琥珀って海から拾うものなんだ。初めて聞いた。
勉強になった。拾ったものの写真をもっとほしい。
Del137
かわいそうなブラック労働者。
違法じゃない仕事あまりないみたいだけど。
avd39
昔は、カリーニングラード市民の半分がヨーロッパから中古車を持ってきて売ったりしてた。
今は網を持って海に入ったり。
生活は苦しいね。
samoletuda
国民がこんなことをするほど、政府が経済を駄目にしたんだね。
RыыBack
ゴールドラッシュのカリーニングラードバージョン。
kazanec
これ違法って感じするけど、気のせいかな
KROVLJ
読者のみんなが法律を厳守しているわけ?
正式的な仕事がない人で、個人的にマンションのリフォームをやったりしているお前らこそ、
税金を払っているわけ?
違うでしょ。
Shark13
因みに、琥珀っていくら?
以前、ロジンの代わりに使ってたけど、使わなきゃ良かったかな?
KROVLJ
>
Shark13
まあ、なんて言えばいいんだろう。贅沢だね。
murray
カリーニングラードの「ダイビング用品店」は一週間で一年間分儲かったのでは?
Tuman
おれのクラスメイトは森のなかで琥珀を掘り出していた。
Младоктулх
面白い。網ですくうんだ。
彼らのほうがよく分かっているだろうが、俺はこっちの椅子から見る限り、
網の穴が大きすぎいのではないかと思う。
химарь
そうだね、みんな貧乏だね、外国の車に乗ってさ。
これら若くて丈夫な人たちかわいそうだわ。
小銭を上げたいわ。
3d3e
Hrabrovoに住んでいたが、そこもあっちこっち堀上がっている。
だいたい若い人たちが掘っている。
どれだけ落石で死んでいることか・・。嫌だわ。
yaplakal.com/forum2/st/25/topic1012168.html