まず、プロパガンダポスターとはなんぞや?ということで簡単に説明したいと思います。
プロパガンダポスターはソビエト政府が国民の意識を扇動するため、その名の通りプロパガンダに使われていました。
テーマは年代により主流が異なるのですが、主に人間の価値観、自由、平等などを表したものが多いです。
更に細かく内容を見ていきますと下記のような内容になります。
- レーニン、スターリンなどの権力を示すもの。
- 学校などの教育に使うもの。
- アルコール反対運動
- (その延長として)お茶を飲もう!など。
- 資本主義反対
- 社会、労働者、労働などを褒め称えるもの。
- 火の用心などの生活関係
- その他(広告などもあり)
簡単に説明すると異常のようなものがソビエト時代のプロパガンダポスターです。
デザインはユニークで今でも通用するような斬新なデザインなものが多く、ロシア好きの方なら一度は見たことがあるかもしれません。
今回はこのポスターにはなにが書かれているのか?というのを紹介していきたいと思います。
プロパガンダポスターを翻訳してみた
まずは労働関係シリーズ


これぞ我々の利益!


頑張った分だけ
給料をもらえる
後ろの頑張らなかったっぽい人のいかにもできなさそうな感じの間抜け面が個人的にツボです。
そして、がんばった分だけ給料がもらえるというのはどちらかと資本主義っぽい気がしますがどうなんでしょう。


経験豊富な先輩労働者は若手をイジメないで下さい
若い労働者を教育して強くなろう
すごい意地悪そうな年配が三人若者をいじめている図。
このようなポスターが作られたということはこの時代、ソ連では老害問題があったのだと思われます。


バーニャ(ロシア風サウナ)へ行きなさい
仕事の後で
なぜ国が仕事の後バーニャへ行けとポスターを作るのかが少し謎。
もしかしたらこの時代の人達はあまりきれい好きじゃなかったのかも?とのMurasakitonboの意見。


保管しよう!
お金はズベルカッサに
ズベルカッサというのは当時の国立銀行のこと
次は政治っぽいネタのポスター


赤いくさびで倒せ白軍
有名なリシツキーの作品。
ロシア好きなら一度は見たことがあるロシア・アヴァンギャルドを代表するデザイン。


君
志願兵に登録したか?
これもなかなか有名なデザインだと思います。
見たことある人は多いのではないでしょうか?
次はよくわからないシリーズ


噛みます
一体これは何を訴えたいのか?
謎が謎を呼ぶポスターですがデザイン的には好きです。
こんなTシャツがほしいとの声も。


結び紐は丈夫であるべき!
これもデザインはかわいらしいのですが、何をうったえかけているのかが謎。
たしかに丈夫であるべきですが、それをなぜポスターにしたのか。
牛が逃げ出す事案が多かったのかも?
次は宣伝用ポスター


これ以上のおしゃぶり
なかったし今でもない
おじいちゃんになるまでしゃぶりたいくらい
どこでも売っています
これも有名なアバンギャルドのデザイン。ロトチェンコの作品。
次は反アルコール運動系のポスター


酔っ払って木を折った
人の顔を見るのが恥ずかしい
恥ずかしい!
酔っ払って、暴れて街路樹をへし折り、植木鉢をひっくり返して警察のお世話になったのを翌日思い出して恥ずかしがってる図。
たしかにこれは恥ずかしい!


我々を豚って呼んでいるくせに・・・
豚 「お前のほうが豚野郎じゃねえか!」
次は禁煙


タバコ - 毒
吸うのはめて!
タバコ5本分のニコチンでウサギが死ぬ
タバコ100本分のニコチンで馬が死ぬ


子供を叱ったり叩いたりするよりは
本を買ってあげた方がいい
Murasakitonbo 「あのお母さんの腕、あんな筋肉モリモリの腕で叩いたらやばいよね。」


我々の条件は下品な言葉の禁止
Murasakitonbo 「これは効き目がなかった。ロシア人は下品な言葉使いまくる。」


本を読まないと読み書きを忘れてしまうよ


消えろ、台所の奴隷制度!
めざせ新しい日常


いたずらするな!
イタズラの域を超えてるようなやんちゃなおじいちゃんを注意する軍人さん。
見て分かる通り、おじいちゃんはアメリカを象徴している。
手に持ってるのは核爆弾。
最後はスパイシリーズ


しゃべるな!
今の時代は壁に耳がある。
おしゃべりやうわさ話は売国行為に近い
ぱっと見は図書館では静かに!と言ってるようなポスターなのですが、よく見るとスパイに気をつけろといった内容になっています。


電話で余計なことを話すな!
おしゃべり野郎はスパイにとっていいカモだ。


おしゃべり野郎は敵にとっていいカモだ!
映画のポスターのようなデザイン。
しかし当時はこれが現実だったようです。


おしゃべりは敵に協力するのと同じ!
とにかくソ連時代は余計なことをしゃべるなということだったようです。
それだけスパイが多かったのでしょう。

今回は昔ロシアで買い集めて放置していたポスターを使ったポストカードをスキャンして紹介しました。
もういらないだろうなと思ってたのが役に立ってよかった(笑)
 
					         
                      
 
						
						 
												 
                                                                             
                                                                             
                                                                             
                                                                             
                                                                             
                                                                            