外国人に日本のイメージを聞くと返ってくるのは、フジヤマ、ハラキリ、スシ、ゲイシャ。
日本人にロシアのイメージを聞くと返ってくるのは、ボルシチ、ピロシキ、ウォッカ、プーチン。
そんなロシアを代表するピロシキ。日本では間違ったイメージが定着しています。日本でよく見かける、そして多くの日本人を誤解させている中華まんのような具が入り、衣をつけてカレーパンみたいに揚げたピロシキ。こんなピロシキはロシアにはありません。
基本的には具を入れて焼いたものがピロシキ。焼いたものではなく揚げたものもありますが、素揚げが基本。具はいろいろとあるのですが、日本で売られているような春雨が入った中華まんのようなものは存在しません。
先日、日本に住むロシア人達が集まりピロシキを作って食べると言うので、本場のピロシキを日本でも作れることを紹介できるチャンスだ!と思い、私も参加してきました。
ピロシキの作り方
まずは基本的なピロシキの作り方を紹介。
材料
ドライイースト 11g
牛乳 250ml
卵 1個
サラダ油 大さじ6
塩 小さじ1
砂糖 大さじ2
小麦粉(強力粉) 500g
温めた牛乳に卵、砂糖、塩、ドライイーストを入れて混ぜる。
そしてそこに油を加えて更に混ぜる。
400gの小麦粉を振って生地を作る。
残りの小麦粉をテーブルに振り、生地を上に乗せて、こねる
手にくっつかないようになったらボールに入れて、ラップしたら30分間くらい40度位で発酵させる。
膨らんできたら、一回落として少し小麦粉でまとめておく。
好きな大きさに分けて、具を包んでピロシキを作る。
トレーに並べて5分ほど寝かせてから、解いた卵で表面をブラシで軽く塗る。
180度で20分位焼いて完成。
今回ロシア人が作ったロシア風の具は2種類。キャベツとタマゴ。
ゆで卵と刻んだネギを塩で味付けしたものと、みじん切りにしたキャベツと人参を油で炒めて塩コショウで味を整えてウクロップ(ディル)を入れたもの。
写真はタマゴ。キャベツは写真撮り忘れました。すみません。
他にもマッシュポテトを入れたものもポピュラー。
おそロシ庵でも数回紹介&記事も提供してもらっている、『女一匹シベリア鉄道の旅』でお馴染みのマンガ家、織田博子さんがちょうどピロシキのレシピの記事を公開していました!
イラスト入りでおそロシ庵の記事より数倍わかりやすいと思いますので、是非参考にしてみて下さい!
織田博子(オダヒロコ)作品集:ピロシキのレシピ
さて、ここまでは普通のロシアで普通に食べられているピロシキ。ふつうに美味しい。
冒頭に記載したように日本のピロシキはカレーパンのような生地に中華な具が入っているものが多いけど、逆にロシアのピロシキの生地に日本的なものを入れたらどうなるのだろう?と思い、三種類の具を用意してきました。
和風?ピロシキ
何種類か思いついたもの&ロシア人からリクエストのあったものから厳選した具はこの3つ。
カレーパン風ピロシキ用。
日本のピロシキがカレーパンっぽい見た目なら、ロシアピロシキの見た目だけど中にカレーを入れればいいじゃんという発想。
ピザまん風ピロシキ用。包むときはチーズを大量に追加。
先日の記事でロシア人がピザまん食べ比べしてたときに、そんなに好きならピロシキのぐもピザにすればいいじゃんと思ったことから。
焼きそばパン風ピロシキ用。
日本の惣菜パンといえば焼きそばパン!だったらピロシキにも入れよう。というロシア人のアイディアから。
ピザとカレーの具はほぼいっしょ。玉ねぎとひき肉を炒めて味付けを変えただけ。ひき肉は鶏肉。食べるメンバーにイスラムの人がいたので。なのでカレーのルーも豚関係を一切使っていないゴールデンカレーを使用。
ピザまん風の具はピザソースとトマトケチャップ、ウスターソースを適当に混ぜてそれっぽい味に仕上げました。
焼きそばは具なしの予定だったけどこの日はたこ焼きも同時に作っており、紅生姜が大量にあったのでそれを投入。結果、味にアクセントが付いて美味しかった。
これらの具をピロシキの生地に包んでいくのですが、中身がわかるように包み方をすべて変えることに。ピロシキの包み方にもいろいろと種類があるとのこと。
このテクニックが素晴らしかったので写真と動画で紹介。
まずは基本形の長丸、包んだのはピザまん風の具。
三角形、カレーパン風の具
丸形、焼きそばパン風の具
そしてオーブンに入れて待つこと20分、完成したのがこちら!
ピザまん風ピロシキ
チーズが反対側によってしまったので空間が…
カレーパン風ピロシキ
焼きそばパン風ピロシキ
具の味付けがいいのか(自画自賛)、どれを食べてもふつうに美味しい!
でも、何も知らない日本人にこれを食べさせてもだれもピロシキとは思わないで、ただの普通の惣菜パンだと思うだろうな…。
これらを食べた他のみんな(ロシア人、ウクライナ人、日本人、スリランカ人がいました)も、どれも全部美味しいと言ってくれました!
どれが一番好き?ときいたところ、見事にバラバラ。どれも甲乙つけがたしといったところでしょうか。
どれが一番好き?ときいたところ、見事にバラバラ。どれも甲乙つけがたしといったところでしょうか。
私の和風ピロシキは世界に通用する!と締めようと思ったのですが……
実は、ロシアピロシキ、日本風ピロシキの他にももう一つのピロシキがこの場に存在していました。
それがこちら。
スリランカカレー風ピロシキ
じゃがいもをベースにスリランカ風のスパイスで味付けがしてあって、とても美味しい。
日本風ピロシキも美味しかったけど、一番美味しかったのはこのスリランカカレーピロシキ。という満場一致の結果に。
くそ、次こそは新たな味付けでぎゃふんと言わせてやる…!!
こうして、究極のピロシキVS至高のピロシキの戦いの火蓋が切られたのである。
俺達の戦いはこれからだ!
おしまい。
おまけ
デザートのブリヌイ ~ロシアンワイルドストロベリージャムを添えて~ も美味しかった。
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