ロシアファッションが日本はもちろん世界のトレンドに?詳しく話を聞いてみた

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ロシアのファッションと聞いて思い浮かぶのはどんなものでしょうか?
ロシア帽や毛皮のコート、サラファンのような民族衣装…
このようなステレオタイプのロシア人の服装でではなく、実はここ数年、ロシア発のファッション、ブランドが世界のトレンドとなりつつあり、日本でもブームが来ているというのです。

ほぼ毎日全身ユニクロ、海パンとTシャツだけでいられて着るものを考えなくていい、むしろ半裸でも不自然じゃないタイの南の島サイコーと普段思っており、おしゃれとかファッションの対極で生きている私にはいまいちピンとこなかったので、詳しい方にお話を聞いてきました。


-自己紹介をお願いします。

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はじめまして、Kazumaです。
RIVERHEAD SHOWROOMというロシアブランドの代理店と、Ugglaというアパレルショップも運営しています。

お話を伺ったときに写真を撮り忘れ、後日、インタビュー受けてるようなそれっぽい写真ありますか?とお願いしたところ、「キリル文字キチ◯イっぽいファッションで撮ってきます」と強烈なワードとともにこちらの写真が送られてきました (笑)



-ロシアファッションとの出会いは?関わろうと思ったきっかけなど教えてください。

まず私は6年半前、Ugglaというアパレルウェブショップを立ち上げました。
当時私が好きだったデンマークのブランドが、日本で買える店がなく、それならショップを作って売ってしまおう、そしたら買い付けという名目でヨーロッパに行ける、という単純な考えでした。
ヨーロッパに住んでみたいという思いもあり、しかし北欧はどこも物価が高く住むのは難しかったため、買い付けの拠点として北欧からほど近く物価も安いドイツのベルリンにフラットを借り、日本とベルリンを行き来していました。
ベルリンの東側で引っ越しも含め3年ほど生活する中で、自分が西側の優雅な雰囲気ではなく、旧スターリン大通りの建築やDDRデザインに惹かれていることに気づきました。
DDR博物館やシュタージ博物館に行ったり、蚤の市でDDRデザインを買い漁ったりしていました。同時にワルシャワやプラハを旅し、東欧の文化にも興味を持ちました。



-最初はロシア、ソ連というよりもDDRだったんですね。

はい、ソ連へ興味を持つきっかけはDDRだったとおもます。

日本に拠点を戻してから、Ugglaが東京や大阪でポップアップショップを開催するようになり、しばらくヨーロッパへ行く機会が持てずにいましたが、2015年頃より、後に紹介するソビエト出身のデザイナーが世界のファッションシーンに登場し初めました。
Ugglaでもロシアブランドを取り扱いたかったのですが、Ugglaのポリシーとして、自分で行って見ていない国のブランドはなるべく取り扱わないという部分がありました。
それでもキリル文字の服を着たかった私は、ロシアアヴァンギャルドの本からソビエト時代のとあるユニフォームを抜き出し、知りあいのデザイナーに頼み、自分用に作りました。
それを自分で着てインスタグラムに投稿したら、ロシア人フォロワーがたくさんコメントをくれたりして。意味もわからず着ていたんですが、モスクワの建築で有名なあのモスセリプロムビルの会社のタバコ売りの制服だったようで、きっと「日本におかしな奴がいる!」って感じだったんでしょう。
おそロシ庵さんの逆バージョンみたいな感じだったと思います(笑)

モスセリプロムビル:
モスセリプロム(農産物加工組合)のビルでロシア・アバンギャルド界の超有名人、ロトチェンコとマヤコフスキーによる広告が描かれている。
最初の広告はИра(Ira)というタバコのスローガン、
「Нам остаются от старого мира только папиросы «Ира»(旧世界から残るものは『Ira』だけ)」

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-その後ロシアへ行くことができたのでしょうか?

そんなこともあり、2017年の春に初めてモスクワに行くことができ、そこでいくつかのブランドを買い付けして、春にロシアブランドを中心にラフォーレ原宿でポップアップショップを開催しました。
絶対に誰も知らないだろうマニアックなブランドもあったのですが、そのブランドをお目当てに来られたお客さんもいらっしゃり、ロシアブランドの大きな可能性を感じました。
また、その動きがモスクワで開かれる若手ファッションのイベント「Be-in Open」のディレクターの目に留まり、6月にはモスクワで講演をさせていただきました。



-講演ではどういったお話をしたのでしょうか?

こちらで今お話しているような、ロシアファッションがなぜ世界で注目なのかという話と、日本でのポップアップがどうだったのか、ロシアのデザイナーはキリル文字の先にどのようなデザインにシフトしていくべきか等をお話させていただきました。
昨年の段階で、キリルの文書をプリントしただけのTシャツが本当に多くのブランドから出回っていたので、それだけでは流行はいつか終わってしまう、ロシアにはアヴァンギャルドを初め様々なアートや文化があるのだから、そういったものをモチーフにシフトしていくべきだという話をしました。
もちろん前述のモスセリプロムの服も持っていきましたし、その話題の時は笑いがおきました(笑)
200人ぐらいのロシア人が集まって真剣に聞いてくれて、講演後も個人的な質問をしに沢山の人が来ました。

その後会場を変え、いくつかのロシアブランドが私にプレゼンをする場が設けられており、そこでたくさんの良いロシアブランドを知ることができました。
その中から4つのブランドを選び、RIVERHEAD SHOWROOMを立ち上げ、2017年10月に初めて日本の展示会に参加しました。
Ugglaだけで販売するのではなく、日本国内や海外から来るバイヤーさんにその4ブランドを見てもらい、セレクトショップへディストリビューションをするプロジェクトです。

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-ロシアファッションが世界のトレンドとなりつつあるとのことですが詳しく教えてください。

今、ファッションにおけるトレンドセッター(世界のファッショントレンドを創るデザイナー)は、実はソビエト出身の2人が担っているんです。

一人目はGosha Rubchinskiy(ゴーシャ・ルブチンスキー)というモスクワ出身のデザイナー。

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90年代のポストソビエトをテーマに、アヴァンギャルドやフーリガンファッション等モスクワの若者ファッションを取り入れたデザインは、2008年のデビュー以降瞬く間に世界に広がり、2012年にはCOMME des GARCONSの川久保玲氏がサポートを開始。現在のキリル文字ファッションの流行の第一人者です。2014年ごろから「Гоша Рубчинский」とキリル文字でプリントされたTシャツやニット、サッカースカーフがストリートに溢れました。

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もう一人はGeorgia出身のDemna Gvasalia(デムナ・ヴァザリア)

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2014年に彗星の如く登場した彼が手がけるブランドVetementsは、ファッションフリークの間でカルト的人気となり、2015年に突如BALENCIAGAのデザイナーに就任しました。
ソビエト時代に服が買えず、いつも大きいサイズの服を長く着ていたという彼が、ビッグシルエットという新しいトレンドを世界に広げました。

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ソビエト出身デザイナーが世界のトレンドを引っ張っていること、また、とりわけゴーシャの、鉄のカーテン崩壊以前のカルチャーを全面に出したデザインが世界に受け入れられたことで、世界がロシアファッションに注目し始めました。
ロシア国内においても、以前は誰も着たがらなかったキリル文字を取り入れたファッションがモスクワの街で見られるようになり、そして誰より元気づいたのがモスクワのヤングデザイナー達。
「俺たちの古き良き文化は世界に受け入れられている!」「ゴーシャに続け!」と言わんばかりに、たくさんの若手ブランドが2015年頃より立ち上がるようになりました。




-世界で盛り上がっているということは日本でも?

はい、前述のようにゴーシャをCOMME des GARCONSがサポートしていることもあり、日本でも数年前からストリートでキリル文字が目立っていました。
私はモスセリプロムのシャツを着て他のブランドのポップアップショップを手伝ったことがあるのですが、お客さんから「お兄さんが着てるシャツは無いんですか?」と何度か聞かれました。そういったこと全てが、私がロシアファッションをフィーチャーしたことにつながってきたと思います。




どのようなブランドがあるのでしょうか?

RIVERHEAD SHOWROOMでは前述したよう4ブランド取り扱っております。その中でも最も人気なのがT3CMというブランドです。

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「Neue Slowenische Kunst」という1984年にスロベニアでスタートしたアヴァンギャルドなアート集団からインスパイアされていて、ソビエト時代のロシアのカルトフィルム「The shadow」からビジュアルを用いています。
芸術性も高く、統一感と独特なミステリアスさを持った、モスクワでしか産まれ得ない雰囲気を持った最注目ブランドです。


また、最もソビエトを感じさせるブランドが、СОВЕТСКИ1917 (SOVETSKY1917)

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1917年10月のロシア革命から100年目の2017年10月に誕生した、最新のテックウェアブランドです。強烈な原色使いや差し色、ロシア構成主義フォントにキリル文字、そしてシェイプはミリタリーと、これでもか!と言わんばかりのデザインです。


ちなみにこの2つのブランドは、RIVERHEAD SHOWROOMを通して、アメリカL.Aの超有名セレクトショップ「H.Lorenzo」で取り扱いがスタートしました。
モスクワのファッション界では「ロシアブランドが日本を通ってアメリカに渡った!」と話題になっております。
特にSOVETSKY1917は、Be-in OpenでデザイナーのMaximが私のもとにプレゼンしに来てくれた際、1枚のカードだけ持ってきて「10月にロシア革命100周年でブランドを初めるから、見ててくれ!」ということだけ言い残し帰りました。
要するに、まだどのような洋服ができてくるか全くわからない状態でした。
でも私はそのコンセプトに凄く興味を惹かれ、半分賭けのつもりで彼に昨年10月の展示会参加を持ちかけました。
結果ブランド創立最初のシーズンで、前述のショップでの取り扱いがスタートしました。
Maximに最初それを伝えた時、彼は驚きすぎて言葉も出なかったです(笑)


上記のブランド以外にも、Ugglaではロシアブランドを7ブランド、ウクライナのブランドも取り揃えております。これからもロシアを中心に東欧のブランドを増やしていくつもりです。

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-最後に今後の展開をお聞かせ下さい。

RIVERHEAD SHOWROOMのほうでは、3月に2度目の展示会に参加します。
モスクワから2ブランドが追加され、6ブランドでの参加になります。Be-in Openを初めロシアメディアの記事やSNSを見て、毎日たくさんのロシアブランドから私達に資料が届きます。今後もソビエト文化や芸術を感じられるようなブランドを日本に紹介し、ファッションを通してロシア文化を広げられたらと思っています。
Ugglaでは4月にロンドンで、5月にまた原宿でポップアップ予定です。
ロシアブランドを海外にも広げられるチャンスなので、そちらも進めながら、よりマニアックにジョージアやその他未開拓の旧ソビエトエリアのブランドを掘っていけたらと思っています。




いかがでしたでしょうか?おそらくロシア好きでも今回の内容は初めて知る人が多かったのでは?と思います。
今回紹介した世界で一番イケてるロシアファッションは、お話をしてくださったKazumaさんの運営するネットショップUgglaで購入することができますのでぜひお立ち寄り下さい!

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