日本に住んでいるロシア人ですが私の心はウクライナ人と共にあります

最近更新できていなかったYoutubeチャンネル、ラッシャンカフェ / Russian Cafeの中のロシア人に現在の心境、伝えたいことなどを語ってもらいました。

以下動画内と全く同じ内容のテキストになります。

みなさんこんにちは
日本に住んでいるロシア人ですが、私の心はウクライナ人とともにあります。
私の親戚と友達はロシアとウクライナ、両方にいます。
実は、うちの子供達はロシアとウクライナのハーフです。
なので、ウクライナで起こっている戦争、ロシアのトップが始めた戦争は私に直接影響を与えています。

ウクライナに住んでいた私の親戚。
戦争が始まった一番最初の日に爆弾が落ちてきて、彼らの住んでいた家にヒビが入って、彼らは最初、迷っていました。逃げるか、そのまま残るのか。
結局、次の日にポーランドへ逃げていきました。今はポーランドで難民生活を送っています。
そして、ロシアにいる私の親戚。
親戚と友達が反戦デモに行ったら、逮捕された友達、脅かされた親戚もいます。

この残酷な戦争を止めるために、自分に全く力がないことを感じていて、とても残念に思っています。
少しでも貢献できると思ったこととして、日本で行われた反戦デモに参加しました。
そこでドイツのジャーナリストと、日本人のジャーナリストと話しました。
けれども、まだまだ戦争は続いています。
そしてそれがいつ終わるか誰にもわからない。

ウクライナでは毎日普通の国民、兵士ではない普通の国民。
うちの子供みたいな、うちの子供のような子供が毎日死んでいます。
殺されています。

ロシアの街に住んでいる知り合いが、自分のベランダに反戦のスローガンのポスターを張ったら、クレーン車が来てそのポスターを外しました。
友達はもう一回同じポスターを作って、もう一回張ったら、今度は警察が来て友達は逮捕されました。
私は日本にいて反戦デモに参加しました。だけど正直言ってロシアにいたら、反戦デモに参加できないと思います。
逮捕されて暴力を受けて。
私には子供がいるから、もし私が逮捕されたら子供はどうなるだろうと思うから。
だから怖くてロシアでは反戦デモに出れないです。
でも、日本にいるから反戦デモに出ることができました。
だけど、これからどうなるかわかりません。

ベラルーシ人の知り合いがデモに参加したら、ベラルーシ大使館、政府関係の人がその友達に近づいてきて、
「あなたの親戚はベラルーシのこの街に、この住所に住んでいるでしょ?あなたがこれからもデモに参加したら、日本で行われているデモに参加したら、今度は私達があなたの親戚のところへ行きますよ。」
と、脅されました。
つまり、全部バレています。
日本に住んでいるロシア人も、みんなチェックされている可能性もあると思います。

─この動画もチェックされてる可能性も…?

この動画もチェックされてる可能性も無くはない。

ロシア国内で流れているニュースと、ロシア以外の国に住んでいる人達が見ているニュースは内容が95%違います。
私は普通、ニュースをインターネットで見ていて、見ているか、読んでいるか。
この間、ロシア国営のTVチャンネルを見てみました。
言葉で表せないほどびっくりしました。本当に別世界のように思えます。
戦争が起こっていることは全く言わずに、ロシアの兵士がウクライナ人を救ってあげているということが流されています。
ウクライナの国民が殺されていることも全く流されていなくて、それは特別な軍事キャンペーンみたいな言葉が使われていて、ロシアの兵士が英雄であって、ウクライナの国民を助けているということが流れている。

私の友達でロシア国内に住んでいる人は、
「政治は私には関係ない」
と言っている人もいます。
ロシアメディアは「戦争」という言葉を使っていなくて、戦争が起こっている事実を信じていないと思います。
私にとって最も不思議なことは、ロシア国外に住んでいるロシア人の知り合いでも、ウクライナ人のために行われている特別な軍事キャンペーン、ウクライナ人を助けてあげているということを信じている知り合いもいます。

たぶん、ロシア国外に住むロシア人のほとんどが反対している。
でも、政府を支持してる人もいます。
だけど私が思うには、人には選択肢がいつでもあると思います。
だから、支持しない選択肢もあると思います。
自分の子供のために。
自分の将来のために。

祖父と祖母は第二次世界大戦を経験していて、私が小学校の時、中学校のとき、戦争の恐ろしい話を聞きました。
どれだけ恐ろしかったか、聞いててそれは想像したくなかったけど、あのときの私にできる程度で想像していました。
中学校で戦争の文学を読む授業があって、あと、毎年第二次世界大戦が終わった5月9日の日。テレビで戦争の映画をやっていました。
その文学と映画と、おじいちゃんおばあちゃんから聞いた話からの戦争のイメージは、ものすごく私にとっては恐ろしくて、経験したくない、絶対に経験したくない。
自分も、自分の子供にも経験してほしくないと思っていました。
21世紀にあんな恐ろしいことになるとは思わなかったです。

なんで今、多くの若者というか私と同じ世代の人が、今起こっている戦争を支持しているのかわからないです。
洗脳されていると言われているんですけど、だけど今の時代、インターネットがあって、国営のチャンネルを見るのは彼らの選択肢だったと思います。
それが本当にいけないことで、教育、教養がどれだけ大事だか自分の子供にも教えたい。
子供に知ってほしい。
今の世代がやっている残酷なこと。次の世代に繰り返してほしくない。
だから今の戦争をやめる、ストップさせる。
私には力がないですけれど、でも、もし私達が生き残ったら、今の戦争を乗り越えたら、私達の子供がそれを繰り返さないように努力していきたいと思います。

これからのロシアもどうなるかわからないです。
でもきっと、明るい見込みはないと思います。
これから経済的な悲劇、人道的な悲劇、社会的な悲劇、多面的な悲劇に面していると思います。
だけど、ロシア国内にいる人は洗脳されていて、どれだけ大変な大変なことに面しているかまだわかってない人が多いと思います。
でも、大変さがわかってきても、それが今の政権のせいで起こっている、その因果関係はわからないだろうと思います。
それはNATOとかヨーロッパ諸国がやったからそういうことがロシア国内で起こっているに違いない。
と思われる可能性が高いです。

─ロシア側じゃなくて…

そう、ロシア側が悪いんじゃなくて、ロシアの政府とかトップの人達が悪いんじゃなくて、それはアメリカとかヨーロッパが悪いから。
そのように思われる可能性が高い。

北朝鮮よりもひどいと思います。
北朝鮮はほぼ70年にわたって他の世界から切り離されていて、外の世界から情報が入ってこないです。
でもロシアは今まで他の世界からの情報も手に入れていた。
にも関わらず、国営のチャンネルを、国営のマスメディアを信じる選択肢にした。
だから北朝鮮よりひどいと思います。
選択肢があったのにも関わらず、わざわざ、意図的に、あまり考えずに、流されていることをそのまま鵜呑みにする。

─信じる国民が悪いのか
─信じさせる政府が悪いのか


両方あると思います。
信じさせる政府と、それを信じる、自分の頭では考えない、自分には責任がない。
自分より上に人がいて専門家がいるから、それは彼らの問題です。彼らが解決すべき。
という立場が誤っていると思います。

自分にも責任がある。
まずそこからスタートしなければいけない。
自分には責任がある。それを覚悟して行動すべきだと思います。

今起こっている戦争。
先程も言ったように、私には直接影響を与えていて、私は今までのように楽しく毎日生活、
毎日を過ごすことができなくなりました。
毎日私の子供と何かをしながら、例えば習い事に連れて行くときに、頭の中ではウクライナの子供のことをつい考えてしまします。
私はうちの子供を習い事に連れて行っているけど、ウクライナにいる子どもたち。難民になったか、それとももう殺された。教育をうけられなくなった。
そういう事を考えてしまいます。
あとはスーパーへ行ったときに、スーパーの係の人の制服が黄色と水色になっていて、それを見ると頭にウクライナの国旗が浮かびます。
だから常に、今ウクライナで戦争が起こってる。普通の国民が殺されている。と考えています。

今までのように気楽に楽しく動画を撮るのもできないと思います。しばらくは。
このチャンネルの内容を変えていくのか、全く別のチャンネルを作るのか、それともしばらくの間、
戦争が終わるまで、世界の中が落ち着くまで一時停止になるのかもしれません。

今まで私達のチャンネルを応援していただいて心から感謝しています。

2022年3月13日撮影