ロシア人が自宅でビールを作る!もちろん道具から!

お酒が大好きなロシア人。

ロシアのサイトを見ていると自分でお酒を作る記事がいろいろと出てきます。

今回は家でビールを作るロシア人の記事を紹介したいと思います。

 

ちなみに日本では酒税法でアルコール度数1%以上のビール(お酒)を作ると違法となりますのでご注意下さい。

 

それでは以下翻訳です。

 

家でビールを作る

Варим пиво дома

 

 

家でビールを作るのはそう難しくないし、とても美味しいし、二日酔いもひどくないし、総合的な害も少ない。それに、友達に飲ませて「自分で作ったぞ!」と言って彼らのびっくりした顔を見たるのも楽しい。ビールを作るって錬金術とか降神術のようなものだと思われているから。

以下の記事を2つに分ける。まずは道具と材料について。その次にビール作りそのものについて書きます。ビールを「黒いサイ」と名前をつけた。

道具

まずは40リットルの鍋が必要。ステンレスでもホーローでもいいが、ステンレスのほうが適している。俺はこのような物を2000ルーブルで買った。探すのは大変だった。家で作る場合は50リットルでもいい。それ以上の量だと専用の道具を買わなければいけない。なぜかというと、手で50リットル以上のお湯を運ぶのは大変だし危ないから。
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家で作るビールは濃縮物からつくるか、一から(種から)作るか。前者は人工的とかではなく麦芽汁を煮付けたもの。いろいろ売っているから好きなものを選べる。1瓶で800ルーブルくらいするが、20リットルのビールができる。後者は麦芽を買って自分で汁を作る。もっとマニアックな人は麦を買って自分で麦芽を作る。水も自分でミネラル化する。例えば、イギリスのナントカ村のビールを作りたい場合、その村の水にどのようなミネラルがどのくらい入っているか調べて同じ水を作る。レベルが非常に高い。アマチュアはスーパーで良い水を買ったり井戸から採ったりするので十分。

次に鍋を麦芽汁製造容器に変身させる。2つの容器を使ってもいいけど、マンションだったら台所に余計なものが少なければ少ないほど妻に怒られない。それはとても大事なことである。近くのホームセンターへ行って必要なものを買う。

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1. インロー、ロックナット2個、シリコンガスケット2枚、フッ素樹脂ガスケット2枚

2. ボールバルブ、サイズはインチ半

3. 銅管継手

4. エルボ

 

5. T継手


6. 15mmアングル4本


7. 銅パイプ2m

できるだけ低く位置穴を開けてこのような物を組み立てる 

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シリコンガスケットとフッ素樹脂ガスケットを鍋にあてないとネジがシリコンを傷つける。

さて麦芽汁容器はできた。次にそれを発酵麦芽汁容器にレベルアップする。

ここでちょっと理論

すり混ぜるというのは水と麦芽を特定の温度でしばらく置いておくこと。置いておくことは「温度のポーズ」という。麦芽の中の酵母が澱粉を糖分に変えていく。問題は、酵母の種類によって活発になる温度が違う。60度のまま置いていたらアルコールがたくさんできるが味が薄くなってしまう。70度だったらビールが濃くできるが、アルコール度数が低くなる。その温度ポーズを組み合わせることによってバランスを取る。 発酵麦芽汁容器に変えるためにフィルターをつけなければいけない。器用さが必要になる。

最初は継手、T継手、パイプをつなげる。

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はんだ付けをする。

銅のパイプははんだ付けが楽。用具簡単にホームセンターで買える。ハンダはSn97-Cu3を使う。フラックスも必ず使うこと。フラックスが無かったらはんだが銅から滑ってしまう。専用の火口がなかったらガスコンロでいい。表面を綺麗にしてフラックスを塗って、部品を組み合わせて温める。フラックスの付いているところに錫の滴が出てきたらワイヤーをくっつける。冷やして出来上がり。注意しなければいけないのは、銅がとてもあつくなるから絶対触ってはいけない。一瞬でもれば火傷する。

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できたものを継ぎ手にくっつけてパイプの長さをはかる。フィルターが突っ張らなければいけない。

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少しずつこんなできる。

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パイプに穴をあける。二箇所だけパイプをはんだ付けをしないでおく。(フィルターを洗えるように)

全部でこんな感じ

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あとは冷却器を作る。またホームセンターへ行ってパイプを10−12メートル、ホースバックルを買う。手でパイプを曲げる。端っこを上に上げる。もっと丈夫にるためにワイヤーでとめておいた。

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次は自分で作れないもの。
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1. 液体比重計。麦芽汁の密度を計るもの。なくてもいいけど、あったほうがやっぱりいい。人によって屈折計を使うけど、俺は使ったことないからなんとも言えない。

2. 発酵容器。今はネットでこんな32リットルの専用容器を買える。そういうを買ってもいいし、自分で組み立ててもいい。でも、ビール専用の店で買うと300-350ルーブルそれに対して、プラスチック容器専門店で160ルーブルで買える。好きな方選べばいい。

3. 麦芽ミル。写真のものはComfort-500というもので、中国製、見た目ひどいけど、1500ルーブルだけだし必要な機能満たしている。同じようなものでベルギー製だったら3500ルーブル。もっと機能の多いものは5~9千もする。コーヒーミル、肉ミル、ブレンダーなどは使えない。なぜなのかあとで説明する。麺棒でも使えるけど、大変すぎる。

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6. 電子温度計。とても必要なもの。写真のものを1500ルーブルで購入した。調べたら300ルーブルで中国製のいいもの買えたことが分かった。

7. 量り。正確なものがいい。写真のものはEnergy-4035キロまで量れる。1グラムの正確さ・・らしい。



最後はシリコン製のホース、1.5~2メートル。普通の透明なホースだから画像なし。あつい麦芽汁を流すのに必要。プラスチックのは臭いし温まるといろいろ毒が出るから使えない。医療用のシリコン製のものが必要。どこで手に入れるか自分で考えてください。


以上。ミニ工房完成。ちょっと使いやすくしてくれる小さいアクセサリーもあるけど一回目は使わなくていい。全部で1万~1.5万ルーブル3万4.5の予算。

 

 

 

作り方。

さて、ビール作り。言っておくけど、道具と材料以外に無限の忍耐が必要。加熱時間は6~8時間。発酵は1~2週間、その後休ませる時間は1年まで伸ばせる。だから一番簡単な方法でも作ってから1ヶ月くらい経たないと飲めない。でもやり甲斐がある。


もう一つ大事なポイント。部屋がきれいでなければいけない。カビ、発酵乳製品、動物が禁止物。麦芽というのは菌にとってすごくありがたいところだ。なので部屋がきれいなほどビールに菌が移る可能性が低くなる。どうやって菌を殺せばいいかあとで書く。


さて、クロサイ(黒サイ)を作る。このレシピは自家製ビールのコミュニティの人で、サイというニックネームの人が考えた。サイの作る黒いビールだから黒サイわけ

 

ビール28リットル作るために必要なものは、

 

ミュンヘンの麦芽、Munich、EBC 25 を5.77キロ
Melano, EBC 80 の麦芽、0.87キロ
Cara, EBC 50 の麦芽、0.35キロ
Traditional ホップ20グラム。
Saazというホップ40グラム。
Fermentis Safale S-04 のイースト。11グラム(1袋)

先ずは麦芽を挽く。地獄のミルを出してGO!

手で回してもいいしねじ回しをつけてもいい。俺は息子にやらせた。麦芽6キロを30分で挽ける(休憩込み)。

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難しいところは、粉ではなく壊れた種、そして壊れていない殻にしたい。だからコーヒーミルとかは使えない。殻が鍋の下におりてフィルターになる。それを通って麦芽汁がきれいになって外にでる。

 

殻がないと、細かい粒でパイプがいっぱいになって通れなくなる。挽いた麦芽はこんな感じ。

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このレシピは72度まで温める。そのくらいの温度だとビールが濃くてアルコール度数が低い。容器にフィルターを入れて、水24リットルを78度まで温めて麦芽を入れたら丁度72度になる。適当でいいけど、75度以上になったら活発ではなくなるから温め過ぎはNG.

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温まったら麦芽を入れて混ぜて温度を計る。72度になっているはず。

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蓋をして容器を暖かい掛け布団などで包む。

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1時間半待つ。忍耐・・忍耐・・

待っているあいだイーストの準備。乾燥しているから戻さなきゃ。



瓶を沸騰したお湯に入れて殺菌し、中に250ミリの水を入れる(一回沸騰させた水)。水温は20~24度くらい。イーストを入れて口にワタを突っ込む。水だけでも30分後に動き始める。

さて、1時間半が経った。次はヨードで確かめる。汁を少しとって中にヨードを一滴入れる。色が変わらなかったら、澱粉が全部糖分になったってこと。もし青くなったらNGもうちょっと掛け布団のなかで休ませてみてもいいけど、多分それでも駄目かも。でも輸入の麦芽を使えばそんなことないと思う。

次はMash-outという難しい名前のプロセス。容器をコンロに置いて常にこげないように混ぜながら78度まで温める。火を消してまた布団の中に15分間入れておく。そうすることによって酵素が動かなくな澱粉の分裂が止まる。

その15分で洗う水を用意する。普通の水だけどただ80度まで温めてあるだけ。最初の麦芽汁を容器から出すときに糖分が容器に残っちゃうが、もったいないのでそこから洗い流す。

できた汁をフィルターにかける時間だ。蛇口にシリコンホースをつけて、発酵容器も運んできてGO!

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さて、なぜホースを使うのか。実は熱い麦芽汁が空気に触れたら酸化還元反応を起こす。それによってビールの味も変わる。できるだけ空気に触れないようにするのに蛇管を使うわけ。

最初はかなり濁っている汁が出る。なぜかというと、殻がまだ底で落ち着いていないから。なので汁をもう一回鍋に戻す。だけど、そのまま戻すと殻が舞い上がっちゃうから皿かなにかを沈ませる。そうすると戻す時に汁が皿の上に流れていて下の殻に影響及ぼさない。

少しずつ流していく。濁ったものを戻すけど、透明なが出てきたらもう戻さない。

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注意:種(?)が見えてきたらさっきの80度のお湯を足す。そうやって流したりお湯を足したりしながら麦芽汁を30~32リットル溜める。最後にお湯を足さないで全部流

種を捨てて鍋をきれいにして、先ほどのきれいになった麦芽汁を鍋に戻す。かなりの量だから温めるのに時間かかる。蓋をしてもいい。でも沸騰するタイミングを逃したらコンロに流れてしまって焦げるから気をつけて。糖分が入っているから洗うのが大変。妻にいろいろと自分のことも、ビールのことも、世界のことも言われるだろう。

 

沸騰したらTraditional ホップ
を20グラム入れる。苦味を加えてくれるホップだ。50分間程度沸騰させる。全部で90分間温めなきゃいけない。その閒3~4リットルくらいなくなる。湯気と一緒に飛んだり、鍋の壁にくっついたりする。

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発酵容器を洗って、水を入れてヨードの瓶を1本入れて蓋をする。これは消毒だ。ヨードがすぐ分裂するから匂いも味も残らない。ヨードが嫌だったら専門店で消毒液を買えばいい。

50分経ったらSaazというホップを20グラム麦芽汁の中に入れる。このホップは味を出してくれる。火を止める15分前に冷たい水に冷却器をつないで麦芽汁に入れる。

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を止める5分前に残りのホップを入れる。今度は香を出してくれるホップ。全部で苦さ20IBUになる。程よい苦味である。

麦芽汁をすこし100ミリの容器に移して20度まで冷まし密度を計る。このレシピによると、13.5%になるはず。それ以上だったらもう少し水を足す。少なかったらもう少し火にかける。要するに結局28リットルになっているはず。

 

 

 

この写真は違うときに撮った。14.5%になっている。

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火を止めたら冷却器に水を流す。要するに麦芽汁をできるだけ早く100度から20度まで冷ましたい。おれの冷却器だと15分でできる。例えば風呂に冷たい水をためておいて中に入れると40分~50分かかる。でもんな時間ほっといたら菌が入ってしまう可能性が非常に高くなる。

残った5分で発酵容器からヨードを捨てる。洗い流さなくてもいい。麦芽汁を発酵容器に1メートルの高さから降ろす。

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なぜかというと、落ちている間に酸素が入る。イースト生きているから呼吸をしているわけだ。もっと密度の高いビールの場合、それだけだと不十分だからあとで空気を入れなければいけない。

イーストを麦芽汁に入れる。

蓋をする。漏れないようにして5分くらい振る。30キロもするからかなりの運動になる。発酵容器を暗くて涼しいところに持っていく。そのあとウオッカか水を中に入れる。

 


以上。ここから2週間待つ。

あと、追加だけど、S04というイーストが18~25度くらいがちょうどよくて、それ以下だったらあまり発酵しないし、もっと暑かったら味が変に変わる可能性がある。だからできるだけ温度を守ってほしい。

発酵中。下は前回の。

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2週間経った。その閒にスーパーで1リットルのペットボトルを何本か買っておく。そしてグルコースも購入。グルコースのほうがイーストに合うし余計な味が出ない。さて、若いビールをペットボトルに入れる時間だ。まずは少しだけ出してみて密度を計る。俺は5%だった。アルコール度数の表を見てみると4.5%らしい。予想通りの濃くてアルコール度数の少ないビールができた。

 

ビールに二酸化炭素れるためにペットボトルにグルコースを少しずつ入れていく。閉まったボトルの中でイーストがその砂糖を食べたらちょうどガスがでる。レシピによると一本に7グラム。

 

発酵容器を開けて素敵な匂いを楽しむ。消毒したホースをビールに突っ込む。発酵容器ボトルより上の位置に置く。

 

因みにホースを使う場合、もう一人に手伝ってもらったほうがいい。なんでホースで難しくやるかというと、容器の下に下りているもの(2~3センチあるはず)が舞い上がらないように。

 

ホースをボトルの底まで突っ込む(空気に触れないように)。口まで3~4センチ残ってたら、入れるのやめて、ボトルを押して中のビールがぎりぎりまで上がるようにして空気を抜く。その状態で蓋をする。

全部のボトルに移したら暗いところに置いておく。一週間二酸化炭素を増やさせる。イーストが糖分を食べてくれてペットボトルが膨らむはず。ちなみに自然に保存食にもなる。空気に触れていない、中も空気が入っていないし、菌の食べられるようなももう入っていない。だからペットボトルだったら半年くらいは普通に保存できる。瓶だったら数年間平気。最初の一週間からさらに1か月間置いておくといいけど、俺はすぐ飲み始めた。俺は石からできているわけではないから。でも一か月間置いておくとおいしくなる。俺の場合、一か月後は作ったビールの半分しか残っていなかった。

 

 


左は麦、右は黒サイ。

以上。この作り方は唯一正しいとは言わない。俺は自分がどう作ったか書いただけ。方法無数あるのでいくらでも試せる。でもこの俺の鍋のセットだといろいろ作れるしまたいろいろ作ってみたいと思う。

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goodhoopoe
 とてもいい記事だけど、説明見ている限りすごく難しそう

 

 

 

serges8

 1リットルあたりどのくらいの経費かかる?

 あと、全部で2か月間くらいかかるんだね?

 

 

 

Ralexa

 いいね。自家製のビールを飲みたいなあ。

 味と香りは想像できるわ。いつかやってみるか。

 

 

 

HATE

 いや、俺はそこまで器用じゃない。できている専用の鍋(キット)を買うわ。

 

 

 

bramirka

 俺は麦芽汁の濃縮したやつを使っている。

 すごくおいしくできる。消毒は一番大事だね。

 容器をちゃんと洗わないとだめになっちゃうから。

 俺はいままでたくさんだめにしちゃった。

 

 あと、実験としてクワスの素を使ってみたこともある。

 ライムギのビールを作りたかったが、すごいクワスできちゃった。

 2リットル飲んだら酔う。

 

※クワス:ライ麦から出来たロシアの黒パンを発酵させて作る飲み物。微炭酸、微アルコール。

 

 

 

vadiiik

 素晴らしいぞ

 

 

 

1640

 いい話だね。愛をこめて書いてある。著者最高。

 

 

 

stSulpicius

 大体1リットル48ルーブル。

 大体というのは、ホップが40グラムとか60グラム必要だが、

 100グラムのパックしか売っていない。麦芽もそう。

 

 時間は、発酵2週間、置いておくのが1か月間。

 でも俺は我慢できないから5週間後もう飲んでた。

 

 二酸化炭素が増えたら飲めるけど、置いておいた方が味が豊かになる。

 種類によって数年間置いておかなければいけないものもある・・

 

 

 

tkm

 具体的な話、しかも写真つき、ありがとう。

 どうすればいいか分った。

 

 

 

 

Аццкийинженер

 なんかキットが高いなあ。

 マンションであまりできないしな。

 でも面白い記事だ!

 

 

 

serges8

 情報ありがとう。

 

 

 

333713

  お気に入り保存!

 夏にダーチャ(※郊外の別荘)で作ってみる。

 毎週の週末にちょうど20リットルくらい必要になる。

 バーニャ(※ロシア風サウナ)とBBQに。

 

 

 

пуссильманин

 おれも前から作ってみたいんだけど、なかなか手が届かない。

 

 

 

ЧЕПУШИЛО

 妻に殺される。

 

 

 

Фраерок

 ビール買ってこよう

 

 

 

AHOHCbl

 素晴らしい。尊敬するわ。自分も作ってた。

 

 

 

Kulibin99

  いや、俺はそれよりカルヴァドスをリンゴからつくる。

 

 


англагард

  いいね!俺は家じゃできない。

 妻も反対だし場所もあまりない。

 可能だったらIPAを作りたいのになあ。

 

 


onebibis

 すごくビール好きだね。

 尊敬するけど、俺ならやらないわ。

 スーパーやらお店のものを飲む。

Варим пиво дома

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